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知恵のチェア

 これ(図1)に似た絵を、どこかで見たと思われる方は、本誌の愛読者の方です。本誌拙連載「ニコラ・システムズ」の2004年12月号の「ちえのチェア」で、ご覧になったと思います。知恵について、次のような文を「電通『鬼十則』」という本に見つけました。「未来学者で社会評論家であるアルビン・トフラーは、『第三の波』という著書で情報化社会の到来を予測した。20年前である。見事にそれは的中したのだが、さらに情報化社会の次には創造社会、知恵社会がやって来ると言う。私は、カルロス・ゴーン社長は、この創造社会、知恵社会の先駆者であると思う。彼は、「リバイバルプラン2000」という計画を提案した。計画というのは、創造力と想像力の化学反応による新たなる創造物である。「リバイバルプラン2000」は、知恵である。強引さがたまたま成功したのではない」(53ページから)

 さて、復習です。3本足の椅子に立つ人を「勝利者」としましょう。3本の足は、それぞれ「お金」「時間」「エネルギー」です。学生時代は、時間とエネルギーはありますが、お金がありません。勤め始めると、お金とエネルギーはありますが、時間がありません。引退したら、時間とお金はありますが、エネルギーがすでに枯渇しています。結局、人はこの勝利者の椅子に立つことはできないのです。そこで知恵を出しましょう。椅子は3本足ばかりとは限りません。1本足の椅子だってあります。ただし1本足の椅子に上手に立つには、バランスをとる必要があります。その1本足は「エネルギー」の1本足です。お金や時間は有限ですが、エネルギーは無限です。前出の本にこうあります「人に頼らない。自分の足で立つ。スタンディング・アローンの精神が、今の日本人には欠けている」(109ページより)

 ひとくちにバランスをとる必要がありますといっても、具体的にはどうするのか?簡単に考えましょう。たとえば、一輪車に乗れないあなたが、乗れるようになるためには、どうしますか?答えはひとつ、練習です。はじめは倒れるでしょう、しかし練習です。まずは、行動をおこすこと!


行動する

 「理屈を並べる前に、まず始めよう。考え込む前に、行動を取ろう。実行した者だけに、成功がやって来る。行動を起こさない者には、失敗もないが、成功は100%起こらない」(前出本29ページより)

 図2を見てください。上のほうは勇気を持った能動的な歯科医で、下のほうは小心者の受け身の歯科医です。小心者歯科医は人並みを考えて、まずAセミナーを受講します。しかし、セミナーで学んだことや得た情報を、自分の臨床で実践することはありません。月日が経つと、今度はBセミナーを受講します。また実践なしです。また月日が経つと、Cセミナーを受けて、またもや実践なし…。しかも、つまみ食いですので常に受講できるのは初級です。しかし、ご本人は始終勉強している錯覚に陥っており、自己満足しています。つまみ食いセミナーフリーク歯科医は、時間とお金、エネルギーを浪費していることに気が付きません。スタートの時は車で出発したのに、いつしか自転車を懸命にこいでいます。当然、診療所も自転車操業です。

 かたや勇気あるイケメン歯医者は、セミナー受講後に学んだことを必ず実践してみます。実践を踏まえながら、初級、中級、上級としっかり咀嚼しながら、自分のものにしていきます。セミナーで得たことを鵜呑みにするのではなく、きちんと咀嚼して自分の栄養にしていきます。ですからAをものにしたら、次はB、Cとパワーアップしていくことができます。図3は、同じく本誌拙連載の1月号でご紹介したものです。有限である時間とお金を浪費するだけなのか、使った時間とお金が、投資となって自分に返ってくるのか。ゴルフのパター同様、打った瞬間はほんの少しの違いであっても、カップに近づくにつれ大きな差となってしまいます。差が大きくなって、はたと気づいて、その差を埋めようとしても、その時にはかなりの時間とお金とエネルギーが必要となるでしょう。


一流のビジネスマン

 前出の本「電通「鬼十則」」に、一流のビジネスマンとは、言われなくても実行する人、二流は、言われて初めてやり出す人、三流はいくら言われてもやらない人、とあります。また、その比率は2対6対2だそうです。さて、あなたは何流?


参考文献/電通「鬼十則」 植田正也著 日新報道 1500円+税

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