no.1 no.2 no.3 no.4 no.5 no.6 no.7 no.8 no.9 no.10 no.11 no.12 　1月号から始まったニコラシステムズも、早いもので今月１２月号で終わりです。2月号から軌道に乗ったシステムばかり、紹介してきましたが、もちろん軌道に乗らなかったシステムもあります。それらはズバリ失敗例とも言えるでしょう。まず表1をご覧ください。これは、ニコラ・シカが2001年4月にハナ通信に発表したサービス内容です。 　現在このサービスの中で、軌道に乗っているのは「ハッスル隊」「オーラルエステ」「本の貸し出し」「オープンカレンダー」「ホームページ」でしょうか。こちらが、絶対良いサービス・システムと思っても、フタを開けてみると「受けない」ものもありました。ただし、まずは品揃えは多いほうがいいと思います。そうして、売れ筋を見ていきながら、絞り込んでいく。では、絞り込むために必要なことは？ 　今年の9月下旬に、ユニクロが新聞に、一面広告を出しました。「ユニクロは、低価格をやめます」という大見出しで「このシステムは、もちろん私たちの大切な財産です。ですから「低価格をやめる」といっても、価格を下げる努力をやめる訳ではありません。まず何よりも質があり、そして価格がある。私たちは、あらゆる人が着ることができるカジュアルを、あらゆる人に満足いただける“好”価格で提供していきます。」（朝日新聞朝刊2004年9月２７日付）。 これも時代の流れでしょう。もちろん高齢化・少子化も流れです。「以前は１０年くらいで飲み頃になるワインを作っていた。今は、１０年も待つ人は少ないので、3〜5年で飲み頃になるワインを作っている」――これは、ブルゴーニュの生産農家の方の言葉です。では、それぞれに、いろいろな立場で、それなりに流れをつかんだらどうするのか？ 　スターバックスの社長ハワード・シュルツ氏の本に次のような下りがあります。「今何をなすべきかがわかってきた。今が絶好のチャンスなのだ。このチャンスをつかまずに、現状に甘えてリスクを避け、いたずらに時を過ごしていたら、チャンスは二度と戻ってこないだろう」（『スターバックス成功物語』８２ページより）。 　たとえ話をしましょう。あなたは今、大きな駅のホームに立っています。どこ行きの列車（時代の流れ）に乗るかは決めました。あとは、列車が来るのを待つばかりです。さあ、列車が着ました。乗ろうとして気が付きました、旅の支度をしていない！…これでは乗れません。また一方、旅の支度もできています。さあ、列車が来ました。ドアが開きました。「やっぱりやめようかな」躊躇したとたんに、列車は発車してしまいました。これでも、列車には乗れません。 　「成功の要素にはタイミングとチャンスがある。しかし、本当は自分自身でチャンスをつくり出し、ほかの人たちに見えない大きなチャンスが見えたときには、いつでも飛びつけるように準備をしておくべきなのだ」（前出の本84ページより）。 　では、最後に、飛びつくときに手にすべき道具は何か？ 　そんなの当たり前と、がっかりしないでください。図1を見てください。3本足の椅子に立つ人を「勝利者」としましょう。3本の足は、それぞれ「お金」「時間」「エネルギー」です。学生時代は、時間とエネルギーはありますが、お金がありません。勤め始めると、お金とエネルギーはありますが、時間がありません。引退したら、時間とお金はありますが、すでにエネルギーが枯渇しています。ということは、人は一生、この勝利者の椅子に座ることはできないことになってしまいます。 　そこで知恵を出しましょう。椅子は何も3本足ばかりとは限りません。図2のように1本足の椅子だってあります。しかし1本足の椅子に上手に立つには、うまくバランスをとらなければ（知恵を出さなければ）ひっくり返ってしまいます。しかも、その1本足は、お金でも時間でもなく「エネルギー」の1本足です。エネルギーとは、夢でも志でもいいでしょう。お金や時間は有限ですが、エネルギーは無限です。 ●開院9周年記念ハガキ 『開いてて良かった』から『あ、行って良かった』に。 　「あ、いってよかった」。これは9周年記念ハガキのコピーです。「開いてて良かった」から「あ、行って良かった」へ。歯科医に「ああ、なってよかった」と言えるように。そうして最後に「ああ、いい人生だった」と言えるようにと思いますが、皆様はどのように感じられましたか。 　1年間、お付き合い頂き有り難うございました。――「ああ、読んで良かった！？」 参考文献／ 『スターバックス成功物語』ハワード・シュルツ著／日経BP社 2004 Copyright SACRA Dental Office All Rights reserved