歯科医院経営のヒント満載 ニコラ・システムズ
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ニコラ・スパイラル

ニコラ・スパイラル
 「はじめまして、はじめます。」はニコラ・シカ開業の案内ハガキです。平成2年開業でしたから、はやいもので丸13年がたちます。開業して2年目に地元の青年会議所に入会しました。2つ年上でリーダー的存在の先輩に「楽に儲かる方法はなんですか?」と聞いたところ「そんな方法はありません」との答えでした。その時考えたことが、「楽に儲かる方法はない」のであれば、「楽しく儲けよう」でした。

 さて、図1は小誌昨年9月号の「HOME PAGEをつくろう」の中で使った図式です。今月号では、このニコラ・スパイラルをベースに「診療所バージョン(図2)」と「デンティストバージョン(図3)」を加えてみました。さて、今あなたは、いずこ?

 「自分のいる所――それを明らかに知ることが、次へ踏みだす何より先の要意でなければならぬ」
(『いのち楽しみ給え』 吉川英治 人生の言葉P211より)

診療所バージョン
 スタートは、その患者さんの初診時と考えてください。あなたの診療所に来られた患者さんが「高い意識を持つ人」もしくは、あなたの診療所が「高い意識を持っている診療所と認識されている」場合は、上のほうの「ブティックスパイラル」に進みます。患者さんという立場のお客さんと、あなた(歯科医師)の間には、「正直から信頼へ」の関係がベースにあります。治療内容・時間・コストは、けっして患者さんにとって快適で心地よいものばかりではありませんが、それらはプラスのストレスとして作用します。しかし、要した時間やお金以上の満足感が得られて、その患者さんご自身も、口腔内の他の歯もリピーターとなっていきます。時を経るごとに、そのお客さんの意識はさらに高いものとなり「品質から客のひいきへ」となり、その診療所は「知名度から憧れへ」とアップしていきます。

 さて、下のほうはニーズを満たすだけの診療所の「コンビニサイクル」です。ここで、ニーズとデザイアの違いをお話しします。英英辞典を引きますと「ニーズとは必要なものが不足している状態のこと」とあります。すなわち、トイレットペーパーが無い状態、電球が切れた状態がニーズです。コンビニエンスストアの品揃えを思い浮かべてみてください。コンビニのほぼ100パーセントに近い商品が、このニーズです。一方デザイアは、無いなら無くても日常生活には困りませんが、欲しいと強く願うものです。

 「あいててよかった」のコンビニサイクルの中で、日々を繰り返すのか。もしくは、「あ、いってよかった」のブティックスパイラルで、年々レベルアップしていくのか。あなたはどちらを選びますか?

 「登山の目標は、山頂ときまっている。しかし、人生のおもしろさ、生命の息吹の楽しさは、その山頂にはなく、却って、逆境の、山の中腹にあるといっていい。」
(『いのち楽しみ給え』吉川英治 人生の言葉P26より)

デンティストバージョン
 「ボン・ヴィヴァン」というフランス語があります。良く生きる人・人生を楽しむ人のような意味と聞きます。上のほうは「ボン・ヴィヴァン-スパイラル」です。スタートは開業時でも、歯科医師になった時でもいいでしょう。希望のスタイルを持ちたいと思う(=ブランディングしたい)人は、まず出る杭を目指します。世の中や世の流れに左右されます。しかし、めげずにさらに出る杭を目指します。出る杭は打たれますが「出すぎた杭にはとどかない」となると、世の中に翻弄されなくなります。そうして、今まで消費してきた時間とお金を投資に変えることができます。その投資がテコとなって、次のレベルへステップアップします。一方、下のほうは「ボンボン-サイクル」です。人並みでいいやと妥協しているうちに、時は過ぎてゆきます。景気・不景気や世の中の流れに翻弄され、気がついた時にはこのサイクルから抜け出ることができないことに気づきます。この人は、時間とお金を結果的に浪費するだけで、ついに投資に変えることはできません。

 「歳月は人間を対象としては流れてはいない。が、人は往々、歳月をあてにして歩む。」
(『いのち楽しみ給え』吉川英治 人生の言葉P28より)


参考文献/「いのち楽しみ給え」 吉川英治 人生の言葉


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