歯科医院経営のヒント満載 ニコラ・システムズ
no.1 no.2 no.3 no.4 no.5 no.6 no.7 no.8 no.9 no.10 no.11 no.12

ハッスル隊

ハッスル隊イメージキャラクター「HUCKLE(ハックル)」はTiT Graphics 企画・制作、福岡予防歯科研究会(現NPO法人 ウェル ビーイング)監修で、1991年に発行された絵本です。


 隊員カード

 通信用便せん

 ハッスルカレンダー

 ハッスルノート

ハッスル隊の起こり
 ニコラシステムズのトップバッターは、ニコラ・シカで最も歴史のあるシステム「ハッスル隊」です。1992年10月にスタートしたムシ歯予防クラブです。まずはスタートした経緯からお話ししましょう。

 ニコラ・シカは1990年7月20日にオープンしました。まだ「海の日」が制定される前のことで、翌日から夏休みという日でした。土地を買って、建物たてての開業で、ご多分に洩れず予算不足。大工さんの知恵で、駐車スペースには貝殻を敷くことになりました。この貝殻、実は地元では「ユリカス」と呼ばれ、海砂を採ったあとの「ユスリカス」のことで、貝殻や死んだサンゴや小石などが混ざったものです。夏休みと重なり、ニコラ・シカを訪れた小学生は早速、貝殻拾いに熱中。また、児童数最大の小学校が近いこともあって、秋頃には、かなりの小学生がニコラ・シカに足を運んでくれるようになりました。しかしながら、登下校時に診療室から外を見ていますと、知らない顔の小学生が、たくさん横を通ります。そこで考えました。「どうやって、彼らをニコラ・シカに呼ぼうか」その時に出したアイデアは「歯ミガキの練習」でした。

第一次ハッスル隊
 まずはニコラ・シカに来る常連さんの小学生に「学校帰りに歯ミガキの練習においでよ。お金は要らないから、歯ブラシだけ持っておいでよ」と、呼び掛けたところ、こちらの思惑通りに、歯ブラシ持った小学生が寄り道するようになりました。残暑の厳しい日などは、歯ミガキ練習のあと和室の待合室で宿題して帰る子もいました。しかし、飽きやすいのも、子どもの特性です。そこでまた一案、考えました。まずは「ハッスル隊」と名前を付けて、診療室の壁に大きな紙を貼り、希望者のみ、名前を書きます。名前の横には磨けた本数の棒グラフ。上顎六前歯だけを染め出して、磨いてもらい、そのあとに磨けた本数だけをカウントします。磨けた本数が50本でハッスル4級合格、100本でハッスル3級合格…。級が上がるごとに、磨く部位をこちらが指定したり、フロスなどの使い方を指導したりしました。

 第一次ハッスル隊が、50人を越える頃、あることに気が付きました。ニコラ・シカに来られる子どもさんの靴下が上等である!当時はまだ、少子化は声高には言われていませんでしたが、エンゲル係数をもじってのエンゼル係数(家計費に占める、養育費の割合)が、高くなってきていると、その靴下を見て思いました。ハッスル隊を有料化しようか、どうしようかと迷っていた矢先、1992年9月にベルリンでFDIがあり、そのポスターセッションでスペインの小学校の先生が、どのようにして歯ミガキ指導とフッ化物の応用を授業に取り込むかという、発表を見ました。この時、ハッスル隊の方向性は正しいと判断し、翌月10月に有料化に踏み切りました。その時に配ったのが「ハッスル隊へのおさそい」です。その後、若干の手直しを加えながら、丸11年がたちます。

ハッスル隊の現在
 では、ハッスル隊の動きを見てみましょう。来院したら、受付の紙に名前を書きます。待ち時間はほとんどなく、中に呼ばれます。キープしてある、歯ブラシとコップを棚からとってきて、エプロンを付けます。染め出しのあと、まずは自分で磨いて、チェックを受けて、ユニットへ。ニコラ・シカのスタッフに磨き残しを磨いてもらい、キシリトール入りのガムか、フッ化物入りのジェルを選びます。ガムなら口の中に、ジェルなら歯に付けてもらったら、自分のハッスルノートに、シールを貼ります。10回ハッスルでマイレージのプレゼントです。このノートは、月ごとに顔写真を撮って貼るようにしています。12月開催の年一回のハッスル大会でご本人にお渡しします。

 年によって、変動はありますが、だいたい1歳から小学6年生までの子どもさんが、20名から25名くらい、現役メンバーとしていらっしゃいます。ハッスル隊の目的を「18歳の誕生日にむし歯が1本も無いように、自分の歯を守ること」としていますが、実際には、中学生になると部活動が始まり、なかなかハッスルできなくなって、卒業してしまいます。今では、卒業生の多くはオーラルエステ(PMTC)に移行していただいています。

 ハッスル隊は自費の会員制のムシ歯予防クラブで、ひとり3,000円/月、1年間で36,000円。隊員が28名になると36,000円×28名=1,008,000円となります。この数字、皆さんはどう思われますか?少なからず魅力のある数字だと思いますが、一番の魅力は「次世代」です。スタッフには、たとえハッスル隊員数がひとりになっても、続けると宣言しています。なぜなら、このハッスル隊の子どもさんが、ハッスル隊を卒業してカリエスフリーの大人になって、子どもを持つ親になった時に、このハッスル隊の真価は発揮されると信じるからです。ハッスル隊卒業生のカリエスフリーの親は、必ずや、わが子をハッスル隊にいれるはずです。予防とは、次世代を見据える心構えが必要な気がします。

 次世代で花を咲かせるために、まずはあしたから「Do Hustle!」


NEXT>>

2004 Copyright SACRA Dental Office All Rights reserved

ページの先頭へ TOP PAGEにもどる