歯科医院経営のヒント満載 ニコラ・システムズ
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ハナ通信
ハナ通信スタート
 ニコラ・シカ(桜歯科)は、1990年の開業です。その翌々年の1992年4月より、ハナ通信という名前のニューズレターを、年4回発行しています。第1号(1992年4月)の冒頭には、次のような挨拶文を載せています。

「ハナ通信のハナは「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」のハナよりとりました。桜歯科の発行する新聞のことで、内容は医、食、遊の3本立です。医(い)は、医学、歯学に関する記事で、できるだけ身近な、しかも役に立つ内容を考えています。食(しょく)は、文字通り食事、食物、食文化に関する記事です。遊(ゆう)は、遊び、旅行などの記事です。記事の内容につきましては、遠慮なく問い合わせ、投書、苦情などをお寄せ下さい」

 まずは、ハナ通信を発行するきっかけからお話しましょう。開業時から、ニューズレターの発行は頭の中にありました。名前を「桜新聞」とか「桜通信」とか、考えてはいたものの、雑事に追われて、そのままに。そんな折り、大学の後輩にあたる先生から、新聞を出しませんかとのお誘い。

 もちろん二つ返事でオーケーしました。その時に、私たちが参考にした新聞は、B5版4ページのもので、1ページずつ4人の先生(4診療所)が執筆されていました。執筆者は4人(例えばA、B、C、D)の4ページの新聞ですが、新聞の名前は、A先生の新聞はA新聞、B先生はB便り、C先生はC通信というように、トップページの頭に一つだけでした。しかしながら、私たちは話し合いの結果、参考にした新聞のスタイルではなく、1人1ページずつ、名前もそれぞれつけて、1ページの四つの新聞が一つになった(合計4ページ)スタイルを取ることにしました。

4人で年4回のペース
 ペースに関して、隔月とか毎月とか、いろいろ案は出ましたが、結局、年4回でスタートすることになりました。はじめは、年4回が待ち遠しくもありました。隔月で発行しましょうと、まとめ役のY先生に話したこともありましたが、Y先生曰く「軌道に乗ったら、しましょうか」との返事。結局、未だに年4回です。

 ペースについてのお話をひとつ。もう10年以上も昔ですが、富士山に登った時のことです。5合目からの登山で、アルバイトのガイドさんは東京大学の学生さんでした。麓からバスで5合目まで登り、お昼食べて一休みしてからの登山開始でしたので、元気・体力は十分にあり、早く上に登りたい。そんな気持ちを見透かすかのように「はじめは、まどろっこしいようでも、絶対にこのペースを守ってください。はじめに急ぐと必ず疲れます。先は長いのですから」というアドバイス。

 そうかなあと思いつつも、ガイドの学生さんの背中を見ながら、ゆっくりペースで登っていきました。7合目、8合目と登るにつれて、この言葉が理解できました。はじめ、元気良く横を早歩きで追い越していった人々が、疲れて途中で休んでいます。こちらは、はじめからのゆっくりペースですから、さほど疲れも感じることなく、相変わらず一歩一歩、登っていきます。もうおわかりでしょう、年4回のペースが結果的に、50号まで辿り着けたベストなペースであったわけです。

まとめ役のY先生
 4人でスタートするにあたって、言い出しっぺのY先生が、まとめ役を引き受けることになりました。当時は、まだインターネットはなく、ファックスで原稿をY先生に送り、そのファックス原稿をまとめて印刷所の人に渡してもらっていました。今では、各自が印刷所に直接e‐mailで原稿を送ります。

 このY先生、独自の哲学を持っていらっしゃって、いつもニコニコ。原稿の締め切りが近づくと、その先生のニコニコ顔が脳裏をよぎり「原稿を早く送らなきゃ」という気持ちになるから不思議です。やはり、この先生のお人柄も、長続きの秘訣のような気がします。

 また私事で恐縮ですが、月に2回ほど友人と走ります。同じ距離、同じコースであっても、ひとりで走ろうとすると、ほとんど途中で歩き始めて散歩になってしまいます。相手がいると言うことは、自分のプライドを刺激してくれるようです。

 また、3人寄れば文殊の知恵の諺のように、4人がそれぞれのページを担当することによって、自然に、話の内容に偏りなくバランスのいいものになります。友人は、知り合いの整体の先生と組んで新聞を発行しています。他の診療科目の先生と組むのも面白いでしょう。つまり要(かなめ)になる先生の人柄が肝要で、1人より2人、2人より4人のほうがベターなようです。
アニバーサリーカード
 ニコラ・シカ(桜歯科)において、もう一つ開業以来続いていること、言い換えるならば、習慣化していることがあります。開業のアニバーサリーカードです。

 1990年7月20日が開業日ですので、毎年、夏に○周年のハガキを作っています。その年のテーマやキャッチコピー、大方のイメージは自分で考えて、あとはデザイナーにまかせます。4、5年経つ頃には「毎年楽しみにしています」という声も聞くようになり、その年のハガキが完成した時には、もうすでに来年のハガキのアイデアを練り始めています。

継続は財産なり
 ハナ通信が50号、ハガキが14枚。振り返ってみると、我ながらよくやったものだと感心します。どうせやるなら、きちんとやるほうが、もちろんいいに決まっています。仕事もそうですが「継続すればするほど、それは財産です」。その場しのぎで、新聞を出したり、ハガキを作っても、その場しのぎのモノはあとで見直すと、必ずや後悔します。その場しのぎでするということは、はっきり言って「時間とエネルギーとお金の無駄」です。

 始めることは簡単でも、継続することは難しいとよく言われます。継続するコツは、数人の仲間で、ゆっくりペース、志は高く、でしょうか。


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