歯科医院経営のヒント満載 ニコラ・システムズ
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オープンカレンダー

















































































経営はロマンだ!
 ハッスル隊、オーラルエステとご紹介しましたが、いかがでしたか?今回からすこし視点を変えてお話します。さて「経営はロマンだ」といわれても、ピンときませんよね。これは、クロネコヤマトの元社長、小倉昌男氏の本の題名です。ちょっとこじつけてみましょうか。

やはり、ロマンといえば旅・旅行です。ということは、経営がロマンであれば、経営は旅行である、となります。そのココロは「お金と時間にかぎりがある!」すなわち「経営とは、いかに数字(お金と時間)をコントロールするかということ」とも言えると思います。そこで、今回からは時間について考えてみます。

「タイム イズ マネー」とは?
このタイムイズマネーという、英語の諺は皆さんご存じですね。では、誰の言葉かご存じでしょうか?これは、アメリカのベンジャミン・フランクリン(1706―1790)の言葉だそうです。凧をあげて、避雷針を発明したことで有名な人です。もともと印刷業で功を成し、アメリカ独立(1776年)の際には、独立宣言起草委員を務めました。若い頃から、非常に勤勉でアメリカ版二宮尊徳のような人だったそうで、「時間とは非常に価値の高い、貴重なものである。故にゆめゆめ無駄に使うな。常に自己啓発に努め、備えよ」というようなことを、説いていたそうです。

時間給が高い低いのタイムイズマネーではなく、「wasting time is losing money」の逆説で「Time is money」です。極端に言えば「Time is life」とも、言えるのではないでしょうか?小話をひとつ。「人生とかけて靴下ととく」そのココロは「長い人もいれば、短い人もいる。はかない人もいる」。

「通年で見る」
 ニコラは大学入学とともに、ラグビー部に入りました。ひとつ上の先輩が、よく飲みに連れて行ってくれます。ある時に「なぜ、連れて行ってくれるんですか?」と尋ねたところ、先輩曰く「高校生との違いは、酒とタバコを人前で堂々とのめることだ」。酒やタバコを、私たち後輩に強要するのではなく、のむチャンスを与えてくれるというものでした。

 さて、持論ですが、院長にとってコントロールできるものが二つあると思います。それは時間とお金です。休みたい日を休診日にできるし、使いたいものにお金をまわせます。これこそ院長の特権だと思います。タイムイズライフの人生、休みたい日に休んでもいいと思うのですが…。そうはいかないよ、と声が聞こえてきそうですね。では、休診日を通年で考えてみませんか?

 年末年始に1週間休むのは抵抗はないでしょう。5月のゴールデンウィークに1週間休まれる方も多いでしょう。しかし実際は、日本全国民が休む時に休んでも、どこに行っても人は多いし、旅費は高くつくし、とあまり効率のいいものではありません。数年前からニコラ・シカではゴールデンウィークを外して休みを取るようにしています。

 おおよそ、1年間に日曜日が52回あります(ちなみに祝日は15日)。週休2日で盆と正月に1週間ずつ2回休んだとすると、週休2日×52週+7日×2回=104+14=118となります。年間118日の休みは1年間の32%に当たります。120日で33%、3日に1度の休みということになります。こう考えると、結構休めると思いませんか?

「3ヵ月カレンダー」
 今度は3ヵ月単位で考えてみましょう。たまに研修会などの懇親会で、先生方から「スタッフが働いてくれない」と愚痴を聞くことがあります。ニコラの答えは「たくさんのお金とたくさんの休みをあげれば、よく働いてくれるよ」です。当たり前のことですが、もちろん限度があります。

 そこで「3ヵ月カレンダー」。ニコラ・シカでは、3ヵ月先までの休診予定を医局に掲示してあります。この3ヵ月カレンダーによって、スタッフは2連休や3連休がいつあるのかが一目瞭然で、早めにわかれば、その分、格安チケットや旅館の予約が取りやすくなります。すなわち、休みの価値が上がることになります。せっかくのお休みでも、突然、告げられては、旅行の段取りなどは無理ですよね。早め、早めに知らせることで、日数は同じでも、価値を高めることができるのではないでしょうか。1ヵ月前までは、院長の急用で変更の可能性ありと但し書きを付けていますけど。

「オープンカレンダー」
 図1は、ニコラ・シカに来られるいろいろな業者さん宛のハガキです。宅配便の運転手、歯科材料店や薬品会社の営業マン、モップやマットの交換の人など、来られた時に休診で閉まっていたら、無駄足です。無駄足になる前に、お知らせしようということで、このハガキを出すようにしました。そのうちに、ハガキのコピーを待合室に置いたところ、すぐになくなりました。

 患者さんは予約制だから、必要ないと思っていましたが、実際にはニーズがあったんですね。そこで作ったのが、「オープンカレンダー」図2です。このカレンダーを来院した人に配るようになって、このオープンカレンダーの威力を実感しました。

 まず、ウイークデーの休診日に(この原稿を書くなどの雑用で診療所にいても)患者さんは来られません。皆無と言っていいくらい来られません。カレンダーを配るまでは、鍵の掛かった入り口を、ガチャガチャする人がいて、見に行くと患者さんだったということが、しばしばでしたが、今は、本当に皆無です。つまりテックがはずれたとか、痛みが出たとかで、予約外で診療所に直接来られる方は、ほとんどが治療中の方であったということです。

 今では、治療中の方は、手元にカレンダーがありますので、休診日を確実に把握していらっしゃるわけです。是非、皆さんもこのオープンカレンダーを作ってみてください。その威力を実感されると思います。幅広い年齢層の方が対象となりますので、もちろんカレンダーは、シンプルイズベストです。使い方はいろいろあります。まずは、だまされたと思ってお試しあれ!



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