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待ち人おこらずシステムA



 さて、先月号の「待ち人おこらずシステム」は、いかがでしたか?読まれた方の中には、そんなにうまくいくのかな、と思われた方もいらっしゃるのでは?そこで、今月は、待ち人おこらずシステムを成功させるちょっとしたノウハウを、お話しします。

「自分軸」という軸
 以前、ご紹介した、福助社長・藤巻幸夫氏の本に「人軸」という言葉を見つけました。

 『「人軸」とは自分を軸にしながら、さまざまな分野にまたがる友人を作っていくこと。本気で付き合って、互いの夢や志について語り合う』(28ページより)。

 この人軸をヒントに「自分軸」を思いつきました。
『◎とにかく相手と腹を割って心の底から話す
◎けっして気取らない 
◎自分の武器を持つ(僕の場合、常に人を笑わせるネタを仕込んでいる)◎頼まれれば、できる範囲で最大限応える(ギブ・アンド・テイクが基本)◎常にポジティブに接する』(30ページより)。

 この5つのポイントは、取りも直さず、患者さんとの関係にぴったりのような気がします。もうひとつ「軸」に関する文を見つけました。鈴木義幸氏の本です。

 『「軸」は、すべての行動を生み出す基盤となるものです。部下と接するための軸、子供を育てるための軸、会社を経営するための軸・・・。「軸」がないとその行動は必ずぶれてしまいます。その場しのぎの対応が増えてしまいます。そして、「軸」は育てるものです。ある日、降って湧いたようにできるものではありません』(89ページより)。

 もちろん「軸」には、自分軸以外にも、チェア軸、時間軸、診療内容軸、治療法軸など、考えられるでしょう。

 臨床においては、もちろん患者さん側の軸も存在します。患者さん自身の軸、病名の軸、緊急性の軸、時間・期間の軸、予算の軸など。軸というより、物差しといってもいいかもしれません。開業間もない頃に、年輩の男性がおっしゃいました「年寄りは、朝が早いから、もっと早く診療を始めて欲しい」。20代の会社員の方は「仕事が終わってから来たいので、夜7時まで受け付けて欲しい」。

 はじめの頃は、患者さんの声を「おっしゃる通り」と受け止めて、受付時間を早めたり、遅くしたり、夏と冬で時間を変えたり、まさしく試行錯誤、朝令暮改のこともありました。ある時、ふと思いました。「僕らは、1日何時間働けばいいのだろう?」「どの患者さんの言葉を優先すればいいのだろうか?」。そうして、得た答えが結局「自分軸」でした。引用文にもあるように「ギブ・アンド・テイクが基本」です。

 お互いの立場で、それぞれの責任を果たした上での、商談成立、ビジネス成立ではないでしょうか?医療はビジネスではない、と思われている方もいらっしゃるでしょうけど、本当に、そうですか。

 さて、「自分軸」とは、もちろん院長の考え方・テンポが軸になるという考え方です。この待ち人おこらずシステムの英文タイトルは「trouble-free アポイントシステム」ですが、院長の自分軸であれば、stress-freeアポイントシステムともいえるでしょう。ここで、stress-freeアポイントシステムへの「FAQ=よくある質問」を、ご紹介いたします。

「生活習慣病の治療とは」
 ここまで読まれて、「結構、高飛車だなあ」と、思われた方もいらっしゃるでしょう。使う言葉や、話し方で、伝える内容は同じでも、やわらかく伝えることは可能です。また、「生活習慣病を治療するということは、その人の習慣に少なからずとも影響を与えないと、決して治らない」というのが持論です。

 90歳を過ぎても現役の日野原重明さんの本に、次のように書いてあります。『習慣というと、食べる習慣とか運動の習慣とか、睡眠の習慣ということが全面に出てきますが、私の習慣論では、友達の持ち方、医師の選択の仕方も習慣によるものであり、良き選択習慣をつけることによって人生はさらに豊かになると思っています』(まえがきより)。

 まさしく、同感です。

 「ニワトリが先か、タマゴが先か?」よく、耳にします。「店が客を育てるのか、客が店を育てるのか?」。やはり、歯科診療所の場合は「店が先」でしょう。まずは、自分軸を持ってみてください。最初から太くまっすぐな軸である必要はありません。はじめは、細く曲がっていてもいいんです。

 最後に、もう一度、朝礼で覚えた諺を添えておきます。

「You should keep your promise,otherwise no one will trust you」


参考文献/
『藤巻のたのしく商売する法則』藤巻幸夫/日本実業出版社
『決断の法則「これをやる!」』鈴木義幸/講談社
『生活習慣病を防ぐ本』日野原重明/幻冬舎


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