|
|
クインテッセンス出版「歯医者さんの待合室」
2003年8月号に掲載 |
|
「単眼鏡/ドイツ ZEISS社製」 |
|
『I SPY 8 ミッケ! がっこう』
写真:ウォルター・ウィック
文:ジーン・マルゾーロ 訳:糸井重里
小学館 1,360円+税 |
|
|
皆さんの夏休みは、どんな夏休みですか?アウトドアスポーツや海山でのキャンプなど、夏を楽しんでいらっしゃる方も多いのでは。カルノは、旅に出かけるときに、行き先にかかわらず、単眼鏡を携帯して行きます。空港内での情報ボードを見るときなど、いろいろと重宝します。皆さんも、双眼鏡や単眼鏡で、いろんなものを「みっけ!」
先日、あるお母さんから、お店にこんなメールが届きました。
「1歳3カ月の娘で、上下の前歯が生えています。最近、外出する機会がふえ、出先でいろんな人から甘いお菓子をもらうようになりました。ありがたくもあり、迷惑でもあり。断わりにくい場合には、悩んでしまいます。うまく断る、何か良い方法はありませんか?」
せっかく、ムシ歯予防に気配りしていても、ひと様からいただくお菓子は、なかなか断りにくいものですよね、さてどうしましょう。まずここで、ムシ歯の成り立ちをおさらいしましょう。ムシ歯の成り立ちに不可欠なものは、当たり前のことですけど「歯」です。その歯の表面に、ご存じ「ミュータンス菌」がいて、「砂糖」があると、グルカンというものを作ってベッタリはりついてしまいます。そのベッタリの「時間」が長くなると、ムシ歯になります。ひとむかし前は、これら「歯」「ミュータンス菌」「砂糖」の3つの輪が重なってムシ歯ができると習いましたが、最近では、それに「時間」を加えて、4つの要素でムシ歯の成り立ちを考えます。
さて、本の中ではこの4つの要因でムシ歯ができますが、実際の日常生活においては、他にも色々とあるような気がします。先程のお母さんのメールにあるように、いくらわが子がムシ歯にならないように、心掛けていても、ムシ歯の原因や犯人はふえていきます。愛想が良くて嬉しいのだけど(ムシ歯のことはまったく考えていない)近所のオバチャン。孫かわいさはよくわかるんだけど(もっと真剣に孫の歯のことも考えて欲しい)オジイチャン・オバアチャン。風船だけで十分ありがたいのに(飴はいらない)クスリ屋さんのオネエチャン・・・・・。
そこで上手に断る会話や方法を考えてみました。
「ありがとうございます。けど、さっき食べたばかりなんです」とか、「どうもすみません。じつはこの子、甘いものが苦手なんです」とか、「すみません。アレルギーがちょっと心配なもので……」と言って、もらった飴は、お母さんのポケットへ。
えっ、わたしそんなにうまくウソつけない、と思われる方には先手必勝法。外出中に、これはもらいそうだとか、前に来たときにもらったという場面では、そのお店に入る前に、先手を打つ。ベジタブルスティックを手に持たせるのです。セロリや人参などの野菜を、棒状に細く切ったもので、詳しくはベイビーハッスル2月号を見てください。ベジタブルスティック以外にも、砂糖の入っていない赤ちゃん用のビスケットなども使えるでしょう。
自分の親(お祖父ちゃん・お祖母ちゃん)には、言えるけど、夫のご両親には言いにくいわ、とおっしゃる方には、どうぞこのページを広げて食卓の上に置いておくとか、このページをご自分の夫に読んでさし上げるとか。
その昔、嫌煙運動が盛んになった頃、嫌煙バッジというものを服につけるというような話を聞いた記憶があります。これにならって、嫌砂糖バッジなるものを作って、わが子につけるというのは、さすがに煙たがられるでしょう。
7人乗りの自家用車について、こんな話を聞きました。「なぜ、7人乗りなのか?」その答えは、子どもひとりに、両親と、両親のそれぞれの両親、合わせて7人だそうです。ひとりの子どもに6人の大人。シックスポケッツとも言うそうで、そのシックスポケッツ、少子化が進んで、今やテンポケッツ(10のポケット)とも言うそうです。その子どもさんのおじさん・おばさん夫婦で結婚はしているけど、子どもを持っていない親戚も加わってのテンポケッツです。お菓子産業やオモチャ産業は、少子化にはあまり危機感は持っていないという見方もあります。オモチャやお菓子を買うのは、子ども本人ではなく、その子どもを取りまく大人であり、ひとりの子どもを取りまく大人の数に比例して、オモチャやお菓子は売れるのだそうです。 |