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クインテッセンス出版「歯医者さんの待合室」
2003年7月号に掲載 |
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「フッ素入りムシ歯予防歯磨きジェル」 |
『くだもの』
平山和子 作
福音館書店 743円+税 |
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『お月さまってどんなあじ?』
ミヒャエル・グレイニェク 作
セーラー出版 1,500円+税 |
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「クールミント ジューシーグレープ ワイルドベリー オレンジ ピンクバブルガム ライム グレープ ラズベリー ミント チェリー マスカット ストロベリー アップル
ノーフレーバー・・・・・」
カタカナの名前が、ズラッと並びましたけど、皆さんは何の名前かお分かりですか? 「わかりますよ、果物の名前でしょ」と声が聞こえてきそうですね。正解は、これらはみな「フッ素入りムシ歯予防歯磨きジェルの味」です。今回は「好きな味」についてのお話です。
98歳で亡くなられた作家の宇野千代さんの言葉に「どんなに体によくてもおいしくなければいけない」とあります。同感です。「どんなに体によいものでも旨くなければいけないというのが、食べものについての私の信条なのです。”良薬は口に苦し”という諺がありますが、それは薬のこと。食事は毎日のことですから、苦かったり、まずかったりでは続きません」(『私の長生き料理』/集英社文庫)。
健康雑誌のみならず、本屋さんに行くと、健康本にダイエット本、体にいい料理の本、食べ物の本と、ズラーッと並んでいます。健康づくりにしてもダイエットにしても、十人十色であり、このひとつの方法だけで大丈夫とはいかないのでしょう。しかし、百の方法があっても共通するルールは、いくつかに絞られると思います。その共通するルールのひとつに、この「おいしい」がはいるのではないでしょうか。「おいしい」は「楽しい」と言い換えることもできるでしょう。
ここで、ベイビーハッスル流ハッスルシステムを御紹介します。
ヨー君の予約は、完全フリー。受付時間内なら、いつでもオーケー。お昼寝終わって、マイブラシをもって、いつもニコニコ顔で登場です。
はじめの頃は、赤ちゃんからお年寄りに至るまで、すべての人に予約を取ってもらっていました。ある時、いつもニコニコの子どもさんが、グスグス泣きながら登場。お母さんにわけを聞くと、予約時間に間に合うように、お昼寝を途中でやめさせ連れてきたため、ご機嫌斜め、とのこと。そこで、早速、変更。子どもさんは、大人の時間(時計が告げる時間)とは違い、自分の時計で動く、と考えました。そこで、予約は完全フリー。お昼寝終わって、機嫌のいい時に、ウエルカム。
奥のちょっと狭いブラッシングコーナーでまずは歯磨き。
子どもたちは、男の子も女の子も狭い空間が好きです。基地ごっこの延長のような場所が好きです。
歯磨きが終わったら、座るチェアーを選びます。チェアーは三色、温州ミカンのオレンジ、日南海岸の青、飫肥杉の緑。日によって選ぶ色も変わります。
色でチェアーを区別すると便利です。色ならば老若男女、だれしもひと目でわかります。
歯科衛生士や歯科助手のお姉さんに、機械を使っての歯面清掃をしてもらいます。このあとは、今日のイベントのひとつ。「今日はどの味?」
子どもさんご自身に選んでもらうと、思いのほか、スムーズに事が運びます。皆さんも、幼い頃、駄菓子屋でわずかな小遣い握りしめ、一生懸命に買うものを選んだ記憶があるのでは。駄菓子屋は今は昔、今ならコンビニでしょうか。また、味を決めるときの会話の中で「これ甘いよ」は、タブー。「これおいしいよ」がベターだと思います。
ジェルの塗布が終わったら、後味を楽しみながら、もうひとつのイベントへ。ご褒美のシール選び。
これは、幼い頃通った幼稚園やオルガン教室の思い出から、ヒントを得ました。その場ではがしてカルテに貼る子どもさんや、持って帰る子どもさんと、様々です。
最後は握手して、「また来るね」のバイバイ。
子どもさんの目の高さにしゃがんでの握手、岡山大学の岡崎先生のアドバイスです。帰りしなに、お母さんにはベイビーハッスルのオープンカレンダーを渡します。完全フリーですから、開いている日がわからないと不便ですよね。 |