next page no.1 no.2 no.3 no.4 no.5 no.6



クインテッセンス出版
「歯医者さんの待合室」
2004年2月号に掲載



 さて、この時期、皆さんご存じのように、プロ野球のキャンプが始まります。
 マスターのふるさとの宮崎では、ここ数年、特に県南地区で花盛りです。巨人、ダイエー、広島、西武、近鉄、ヤクルトなどが来ます。キャンプ中は、いろいろな人が宮崎を訪れます。一軍・二軍の選手はもちろんのこと、選手を陰で支えるトレーナー、スポーツ用品のメーカーの人。新聞記者にマスコミ関係。テレビの美人レポーターなんかは、目立ってはた目にもわかります。野球解説者に、プロ野球OB。選手の奥さんや恋人、はたまた追っかけの女性。都会から来た女性もすぐわかりますよ。2月でも温かい日南で、ムートンのハーフコートなんか着ている人は、まずいませんから(笑)。
 彼らは夜の街にも足を運びますが、意外と真面目なのが選手たち本人。考えたら当たり前かもしれませんね。休息日の前夜は、羽目を外すでしょうけど、翌日が練習日だと「門限ですから・・」と言って、早々に宿舎に帰って行きます。お店のドアを開けたとき、客でいっぱいだとまず席を立とうとするのが選手の方々。結構、謙虚なんですよ。ガードが堅いのがテレビ関係者でしょうか。新聞記者の人たちとは、酒を酌み交わしながら人生を語ったこともあります。
 表現は少々変ですが、一軍の選手を頂点とした、大きなピラミッドがあって、それはもう立派な産業なんですね。「野球スポーツ」という産業。人々に夢と希望を与え、しかも環境破壊はしない、優良産業だと思いますよ。
 この時期、地元ならではのメリットもいくつかあります。選手の行きつけのお店に顔を出すと、選手用の食材のご相伴に預かることもしばしばですし、地元の青年会議所などが企画する、コーチや解説者の講演会で話を聞けたり、また、たまには選手を招いてのワイン会に誘われたりとラッキーなこともあります。
 しかし、バッティングピッチャーの人と話をして、やはり「プロ」の世界は厳しいなと、つくづく思いました。結果がすべて数字で表されるし、怪我でもしたら、その時点ですべてが振り出しに戻ってしまうこともあるようです。だからこそ、選手本人はしっかり自己管理していて、謙虚なのかもしれませんね。



NEXT>>