クインテッセンス出版
「歯医者さんの待合室」
2004年1月号に掲載 |
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皆さんのお正月は、いかがでしたか?
マスターが小さい頃のお正月は、やはり、特別でしたね。冬休みがクリスマスイブで始まって、大掃除、紅白、「行く年・来る年」、除夜の鐘。明けて、御屠蘇、お年玉。初詣、父親の着物姿…。しかし、仕事始め、七草粥となると、冬休みの宿題の書き初めができずに、書き初めならぬ、泣き初めでした。
この時期、よく聴く「年の始めのためしとて…」で始まる歌の名前は「一月一日」。一月一日が元日。元日の朝が元旦。旦の字をよく見てください。日の出の形でしょ。
しかし、江戸時代までは、日が暮れると新しい一日が始まると考えられており、この元日も大晦日の夜から始まりました。つまり、除夜(大晦日の夜のこと)の行事が元日最初の行事だったのです。家の内外をきれいにし、門松を立てて、鏡餅や御神酒・洗米をお供えしました。この日は寝ずに、元日夜明け前に、年男は若水を汲んできて、神棚や仏壇に供えます。この水は雑煮にも使います。夜が明けて元旦となると、お供えしていた餅を下げて、雑煮にします。御屠蘇やお節料理で、今年1年の健康と幸せを願います。
その後、年始回りとなるわけですが、もらって嬉しいのがお年玉。でもお歳暮というのもありますよね。年末と年始だけではなく、目下の人が目上の方に贈るのがお歳暮。お年玉は、目上の者から目下の人に贈ります。
また、初夢は、元日の夜または正月二日の夜に見る夢です。その夢によって、今年1年の運勢を判断します。昔から吉夢を見たいという願いから、室町時代には宝船を描いた絵札が神社で配られ、枕の下に置いて眠りました。宝船の横には「長き世のとをのねふりの皆めざめ波乗り船の音のよきかな」という回文(上から読んでも下から読んでも同じ文)が書いてあります。
歯に関する行事もありますよ。正月三が日の毎朝、長寿を願って鏡餅などを食べる行事が、歯固めです。
最後に、宝尽しならぬ、七尽くしをふたつ。恵比須・大黒天・毘沙門天・弁財天・布袋・福禄寿・寿老人で七福神。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ(カブ)・スズシロ(ダイコン)で七草です。どう、縁起が良さそうでしょ。 |
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