先日、鹿児島のル ガブローシュというフレンチレストランにて10人程度でワイン&食事会を催しました。シェフの料理には、良い素材を使い、そして素材を最大限に活かした上でとても繊細なきれいな流れを感じます。
彼の店にはほとんど南仏のワインはないので、今回は敢えてコートデュローヌのワインを用意しました。私のワインのチョイスは、基本的には料理に合わせるのではなく、料理人のレベルとスタイルに合わせます。もちろん彼には前もってローヌのワインと言えども繊細できれいな味のワインを準備すると伝えておきました。以下がそのワインです。(赤だけ掲載)
1、1996 クローズ エルミタージュ レ ピエレル
2、1996 クローズ エルミタージュ キュヴェ ルイ ベル
造り手のアルベール ベル(写真1)ですが、とてもきれいな味筋のワインを造っています。97年に訪問した時に清潔な醸造場と味に共通性を感じました。ただ、シラー100%なので、その年の葡萄の出来にかなり左右され、味の落ち着きの時期や飲み頃を把握するのがとても難しいワインであると認識しています。この96年も7年前ぐらいに入荷した際、味が集まっておらず、落ち着きがなく、ただボリュームはあったのでしばらく熟成する事とし、98年産は試飲して全く良さを感じられなかったので、そのままにしているし、だけど99年産の様にいきなり凝縮感がありうまい年もあります。このワインを最大限に活かして売ろうと思えば、やっかいなワインです。
味筋はきれいでシンプルに感じられるのに、奥には力を秘めているのでしょう。まじめな洗練された造りからくる味の中にきれいさと骨太さが同居しています。
さてこの1、2は畑違いですが、熟成によりとても良い状態になっており、健康でイメージ通りの味筋でしたので、シェフのきれいな料理にも合い、スタートのワインとしては上々でした。
3、1997 ケラーヌ ルージュ レゼルブ デ セニョール
4、1997 ケラーヌ ルージュ キュヴェ プレスティージュ
3、4のワインを造っているのは、写真2のアラリーさんですが、コートデュローヌの南部の生産者であります。1、2の様な北部のワインと違って、葡萄品種を混醸させ、味わいによりボリュームと複雑さが出てきます。しかし彼のワインは、ローヌらしからぬ繊細で奥に力を秘めた懐のある優しい味わいとなっております。ただ彼のワインもやっかいなワインで、年によっては彼らしい味わいが出てくるのに何年もかかる場合が多々あります。この97年もそれほど強い年ではないが、味が固くてどうしようと思っていました。それが今回、3の方はピークの状態を迎え、4の方はようやく味が集まって凝縮感が出てきて最高の状態を迎えようとしていました。1、2のきれいな味から、3、4のより複雑だけど繊細で上品なボリューム。ワインもイメージ通りで彼の料理とも最高に合い、最後のワインに移っていきます。
5、1996 エルミタージュ
6、1995 エルミタージュ
1、2の上のクラスのワインですが、このクラスのワインを飲むと96と95の年の違いが鮮明に感じ取れます。96年だけを飲むと十分なボリュームでとても完成されたうまさを感じますが、95年はさらにバランスときめの細かさが一ランク上です。
でもそれを感じられるのもワインの醍醐味だし、葡萄が農作物である事を再認識させてくれます。チョイスした全てのワインの健康状態も良く、それぞれの生産者の味わいも熟成により十分活かされ、ワインの流れも良かった様に思います。
このシェフの様な洗練された感性のある繊細なきれいな流れの料理にはボルドーやブルゴーニュのワインが合わせやすいのですが、そのワイン生産者のスタイル、味筋、レベルを感じ取っていれば、どこの地域のワインでもOKです。
結局、ワインも料理も人が関わっているわけですから、人間性とスタイルのイメージを感じ取っていれば、流れは造れると思います。
筆者紹介 ヒロシとは?
岡山 宏 おかやま ひろし
1977年鹿児島県立甲南高校卒業。1982年熊本大学工学部合成化学科卒業後、三共株式会社入社。1987年三共株式会社を退社し帰鹿。岡山酒店後継。1990年店舗新築後、ディスカウント店としてスタート。1997年月酒専門店として再オープン。現在に至る。
岡山酒店
〒890-0054 鹿児島市荒田1-16-28 電話099-254-4784
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