no.48
2004/01
腸に春滴るや粥の味

夏目漱石([1867-1916]小説家 江戸生まれ)


御馳走カレンダー2

 早いもので、ハナ通信も48号を数えます。丸12年、干支ならばひとまわり。さて冒頭の句「はらわたにはるしたたるや・・」を詠んだ漱石は、親友の正岡子規に師事し、一生涯に2500句に及ぶ俳句を残しています。途中で自分の才能を見限ったのか、はたまた子規に諭されたのかは知りませんが、小説家へ進路を変更し、発表した処女作が「吾輩は猫である」です。まさしく人間万事塞翁が馬。12周年のお祝いに、読者の皆様にも御馳走いたしますね(文字だけですが・・・)。97年20号のカレンダー1とあわせて、どうぞ召し上がれ!

睦月 湯豆腐 鹿児島市の湯豆腐の権兵衛 暖冬といえども、やはり寒い夜にはここの湯豆腐。女将さんの正調薩摩弁とともに、たもいやんせ。
如月 鮟鱇鍋 神田のいせ源 鮟鱇の七つ道具に、独活、椎茸、銀杏、絹さやなどが彩りを添えます。勿論鮟鱇も美味ですが、〆の雑炊が最高。この雑炊のために鍋があると言っても、過言ではないほど!
弥生 焼き魚定食 日南市富土の井元ドライブイン ここの焼き魚定食は「百聞は一見に如かず」。夕方5時までなので、お昼にどうぞ。食後には、鵜戸神宮手前の三本の大山桜を見て、鵜戸神宮でウグイス聞いて、春を五感で堪能してください。
卯月 鰆の握り 小倉魚町のもり田 春の字を見ると、本当にうずきます。詳しくはハナ通信41号を御一読の程。あれ以来、カルノの恒例行事となりました。勿論、今年もあの茶碗とともに行きます。
皐月 フランス料理 鹿児島市のル・ガブローシュ ここは、いつ食べても必ずサプライズ(驚き)があります。お店の名前とおりのシェフ。やんちゃ坊主はおどかし上手!
水無月 地鶏 宮崎市のとり乃屋 生ビールや焼酎に合うのが地鶏の炭火焼き。店にはいると唐突に「はずしますか?」と聞かれました。鳥の肉を骨からはずしますかの意。塩と味噌がありますが、やはり塩。通はご飯を頼んで、のっけてまぶして食べます。日南市のわがやもオススメ。
文月 豚しゃぶ 日南の豚しゃぶは夏でも美味。その秘密は、北郷特産のワカメ豚。しゃぶしゃぶしてもアクが出ません。さらに秘密のつけダレをご紹介しましょう。和歌山のハグルマ(株)のごまだれに、辛子明太をときます。ワカメ豚とごまだれと辛子明太、それはそれは最高です。
葉月 カレー鍋 宮崎南郷町の鳥金 焼鳥屋さんなのに、いつも頼むのはカレー鍋。カツオのたたきとカレー鍋、ホルモン鉄板焼き、海賊おにぎり、これでは夏バテするはずがありません。
長月 醤油 銚子のヒゲタ醤油 初めてこの醤油のフタを開けた時に、醤油は大豆からできていると実感しました。この醤油の香りだけでも、ご飯の二、三杯は食べられます。
神無月 そば 宮崎市の哲心 演歌の歌詞ではありませんが、いつもそばに居て欲しい!大人限定の夜のコースも超オススメ。
霜月 珈琲 福岡市の美美(びみ) カルノは、一年に三百日以上の朝、ここの豆で珈琲をいれます。福岡に行った時には、味の確認をかねて、お店に足を運びますが、同じ豆でも、マスターのいれる珈琲は格段に美味!
師走 シュトレン 東京武蔵野市のゴッツエ ゴッツエさんのお店は、通信販売のみになりました。ここのシュトレン(ドイツのクリスマスケーキ)は、ドイツの人が食べても、絶賛するに違いないと日本人ながら、確信します。

 今年一年、皆様の口と体が、健康で、美味しいものを享受できますことをお祈りいたします。



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