ハナマルメール

配信日
2007/5/31
Subject
No.055 『柿若葉』



ハナマルメール
登録希望・解除の方は
ハナマルメールでは配信希望の方を募集しています。興味のある方は今すぐ登録!!
また、登録を解除したい方も下記のアドレスから送信してください。


●登録希望の方
http://open-cal.jp/hanamaru/
subscription.php


●登録解除の方
http://open-cal.jp/hanamaru/
unsubscribe.php


(クリックすると大きな画像が見れます)

柿の葉


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人生をより楽しむ情報満載!  CLUB NICHOLA メールマガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃ハ┃ナ┃マ┃ル┃メ┃ー┃ル┃ No.055 2007-05-31 sacra@connote.jp

 発行人:カルノ(河野秀樹〈かわのひでき〉)1961年生まれ 歯科医師 
  宮崎県日南市あがた東 桜歯科
  趣味 旅・茶・ワイン
  詳しいことはこちらへ http://www.connote.jp/essay/mono/mono27.htm

──…──…──…──…──…──…──…──…──…──…──…──…──

 いちにち、お疲れさまでした(朝、読んでいらっしゃる方もおられるとは思います
が)。寝る前の一杯のナイトキャップ、そのようなメールマガジンがハナマルメール
です。好きな作家・五木寛之の本に次のような文章があります。「それともう一つ、
気をつけていることは、龍頭を最後までギリギリ巻き切ってしまわないことだ。この
辺で一杯だな、というすこし前まで巻いて、そこで龍頭をすこしもどしておく。もど
すというか、何回転かゆるめるのだ」(五木寛之「知の休日」より)
  コンテンツは「アントレプレナー的(起業家精神を持つ)な若き心を持つ歯科医が
人生をより楽しむためのエナジーサプリ!」。もちろん歯科医でない方もOK!! 

 あなたのリューズを少しゆるめるハナマルメールです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

C O N T E N T S (◆のついたタイトルが今号の内容です)
──────────────────────────────────────
◆ ハナマルコラム
   スターブックスカフェ(オススメ本紹介のカフェです)
◆ オススメミッケ!(カルノが見つけたいろんなオススメ)
   ハナ通信
◆ 今月のひとこと(オープンカレンダーのユーザーの方へ)
◆ ヒロシの酒部屋(さけべや)
   笑進日記
◆ ご案内・お知らせ

──────────────────────────────────────
No.055『柿若葉』

 かきわかばを広辞苑で引くと次のように載っています。柿若葉=柿の美しい若葉。夏
の季語。いつの間にか季節は夏です。夏と一口に言っても初夏・仲夏・晩夏(合わせ
て三夏)に分かれます。立夏(5/6頃)から芒種(6/6頃)の前日までが初夏。仲夏
は芒種から小暑(7/7頃)の前日までで、小暑から立秋(8/8頃)の前日までが晩夏
となります。時の経つのは速いもの、恋せよ乙女、遊べ若人!写真は拙宅の柿の葉で
すが、柿の葉すしに使えそうな厚みでした。(写真はHPにアップします)

 柿若葉重なりもして透くみどり 富安風生

 今号から若干の衣更えならぬ模様替えをします。目玉はカルノの師匠:岡山宏氏のコ
ーナー「ヒロシの酒部屋」がスタートします。これに伴い001号から紹介してきたハナ
言葉は045号をもって終了いたしました。ハナ言葉はアーカイブとしてまとめています
ので、そちらを活用して頂ければ幸いです。
ハナ言葉アーカイブ
http://www.connote.jp/hanamaru/back/hanakotoba/index.htm

──────────────────────────────────────

◆ハナマルコラム No.045
……………………………………………………………………………………………………

「ドイツ報告1」
  前回コラム044で「一週間のドイツの旅に持っていく物」のことを書きました。リス
トの中から幾つか・・。
21ドイツ地図:日本国内で予めネットで入手。旅行先の言語表示のほうがベター。
→今回の訪問先はモーゼル川沿いの村が多く、ミシュランの一枚地図では役にたちま
せんでした(地図に載っていない)。フランクフルト空港でノート型の詳しい地図を
購入。
32歯の消しゴム:ワインテイスティングには必需品!
→赤ワインは最後に訪問した生産者のみでしたので不要でした。他は全部白。
44B&Oヘッドフォン:朝の散歩用
→毎朝、散歩しましたが、朝の散歩のBGMは鳥のさえずりがよろし!で不要。
46電子辞書:日本について聞かれた時のためにも必需!
→ライン川、モーゼル川などの検索に活用
と、持っていく物に関してはこのくらいにして、今回印象深かかったことを三つほど。

1-「地球温暖化」
  今回、12カ所のセラーの人々にお会いしましたが、異口同音に出た言葉がこの「地球
温暖化」。先月(4月)、モーゼル地方は一滴も雨が降らず四月としてはかなりの高温
だったそうです。ブドウは乾燥や暑さには比較的強いため、ワイン生産にはさほどダ
メージはないものの、小麦や野菜などにはかなりの影響が出ているとのこと。また今
年2007年は例年と比較すると三週間ほどブドウの生育が早いそうで、このことも過去
に記憶がないと懸念されていました。
  ご存じのように、おおまかにドイツはイタリアやフランスより北に位置しますので、
寒い地域です。そのドイツで温暖化の影響で気温が上がると、ブドウにとっては好条
件となります。ちなみに2006年は、それはそれは良いブドウが収穫できたそうです。
結果、本来なら下のクラスのブドウが中級になり、ワインのラインナップを例年通り
にそろえるために、中級のブドウで下のクラス(比較的低価格)のワインを造らざる
を得なかったそうです。(ということは、2006年のモーゼルワインは超お買い得!!)

2-「ビンがない!」
  ドイツ国内においてリサイクル法が施行され、ドイツ国内で生産される飲み物はすべ
てガラスビンに入れなければならなくなったそうです。このため、ガラスビンの需要
が高騰し、大きなシェアを持つ水と牛乳にビンが回され、ワインのビンは品薄状態。
各セラーはワインのビンの確保にヤッキになっているとのことでした。現に、中身は
同じワインのなのに、ビンのスタイルや大きさは同じでも色が違うビン(緑の中に数
本青いビンが混ざるなど)を使わないと間に合わないとも聞きました。日本なら、ち
ょっと信じられないことです。さすがリサイクル先進国ドイツ!

3-「モーゼルはブーム!」
  ここ数年、モーゼルワインの需要が上がってきているそうです。欧米各国からの引き
合いが、明らかに増えているとのこと。理由として考えられることは、次のようなこ
とでした。
  『おおかたドイツワインは、フランスやイタリアワインと比べると、アルコール度が
低い。消費者は低アルコールのワインを長時間楽しみたいのではないのか、度数が低
いので、ある程度飲んでも翌朝残らないモノを好むのではないか。またドイツワイン
は甘みもあるので、言うならば「癒し系」のワインが流れになってきているような気
がする。これからに季節、比較的辛口のトロッケンなどは「夏ワイン」としてよく出
る(出荷)される』日本で、ドイツワインがブームとはあまり聞きませんので少々ビ
ックリしました。

*ドイツモーゼル報告は新コーナー「ヒロシの酒部屋」も参照してください

……………………………………………………………………………………………………

◆オススメミッケ!
……………………………………………………………………………………………………
【024】
「PMTC=ピーエムティーシー=専門家による歯のクリーニング」

衰ひや歯に喰あてし海苔の砂  松尾芭蕉(1644-1694)

 季節はすでに夏ですが、この句の解説文には「季語は海苔で春。人間の衰えの兆しは、
まず歯に来ると昔から言われてきた。(中略)べつに芭蕉に言われなくても、年老い
てくると、誰もが歯の一瞬の感覚で衰えを感じているはずだ。」とあります。皆さん
はもうおわかりでしょう。これはシソーノーローのことです。人体の老化とシソーノ
ーローは別々のことですが、昔は同じように考えられていたようです。時代はさかの
ぼり、唐の詩人、韓愈(かんゆ)は、落齒(らくし)という詩を803年、作者三十六歳
の時に書いています。「去年落一牙 今年落一齒」(去年は奥歯が一本抜け、今年は前
歯が一本抜けた)で始まる長編詩で、最後は歯が抜けたら抜けたで、別の楽しみもあ
るとひらきなおっています。このように、昔から年を取るということと歯は、密接な
関係にあったようです。漢和辞典には「歯-よわい。とし。としかさ。」とあり、歯は、
元々よわいとも読んだようで、歯一字で年齢の意味があったようです。
  さて「バイオフィルム」という言葉をご存じですか?名前だけ聞くと、何かしらやわ
らかそうで、身体に優しそうなイメージですが、実際は全くその反対で、かなり身体
にとっては危険で、手強いものなのです。歯の表面のエナメル質はツルツルしてそう
ですが、顕微鏡的には細かい溝があります。その凹凸に細菌や食べ物がくっつくわけ
です。ムシ歯菌といわれるミュータンス菌は砂糖をえさとして、ネバネバとしたもの
を作って歯の表面にへばりつきます。このネバネバの中でミュータンス菌は増え続け、
しだいに歯の表面に分厚いバイ菌の膜を作っていきます。この膜を「バイオフィルム」
といいます。このバイオフィルムの下では、作られた酸によって脱灰がおこり、ムシ
歯が作られていくわけです。
  さらに、怖いことには、このバイオフィルム1グラムあたり1000億個ものバイ菌がす
んでいます。その中には、もちろんミュータンス以外のいろいろなバイ菌もすんでい
ます。これらのバイ菌は、バイオフィルムの存在によって、抗生物質や薬液からガー
ドされ生き続けます。厄介なことには、そのバイオフィルムの中で、いろいろな突然
変異のバイ菌が生まれてきます。そうして、何かの拍子に、そのバイ菌の巣窟である
バイオフイルムから飛び出て、肺や胃の中へ入っていきます。それらバイ菌が肺炎や
そのほかの病気を引き起こしかねないことは想像に難くありません。加えて面倒なこ
とに、バイオフィルムができてしまったら、いくら歯ブラシでゴシゴシこすっても完
全には取れないということです。もちろん鏡で見ても分かりません。今のところ、そ
のバイオフィルムを除去する方法は歯科医院でのPMTCのみです。
  このPMTCという処置は、痛みはほとんどなく、歯の表面をきれいにする北欧で開発さ
れたお口のケアです。歯を思う存分使うこと(食べる、話す、歌う、笑う、食いしば
る等々)が皆さんの仕事なら、その歯を守り、歯の健康を維持するのが歯医者の仕事
です。これを読まれてハッと、口に手を当てられた方、どうぞ、ご相談ください。私
たちが、バイオフィルムを除去してさしあげます。
  「歯は白く 歯ぐきピンクに 吐息は甘く」
参考文献
「増殖する俳句歳時記」清水哲男
「中国名詩選(下)」松枝茂夫編 岩波文庫
「もう虫歯にならない!」花田信弘 新潮OH!文庫

……………………………………………………………………………………………………

◆今月のひと言
……………………………………………………………………………………………………
(オープンカレンダーのユーザーの方へ)

オープンカレンダーについて http://open-cal.jp/cal/

6月のひと言
「梅雨の晴れ間の青い空」
「六月を奇麗な風の吹くことよ 正岡子規」

7月のひと言
「スイカ 蝉時雨 入道雲」
「ひつぱれる糸まつすぐや甲虫 高野素十」

ハナ言葉アーカイブ
http://www.connote.jp/hanamaru/back/hanakotoba/index.htm

 

……………………………………………………………………………………………………

◆ヒロシの酒部屋 No.001
……………………………………………………………………………………………………
「ドイツワインの真価」

 1996年に初めてフランスボルドーのワイン生産者に触れてから、毎年のようにい
ろんな産地に赴き、今年は、9年振りにドイツを訪問してきました。よりワインの味
だけでなく、文化や食生活、人を通してワインに関わる奥行きをこの10年余り感じ
てきた事もあり、9年振りの訪問は、あまりにもいろんな事が深く理解でき、見えな
くてもよいところまで感じてしまい、整理する必要があると思い、文章としました。

 モーゼル川流域の小さな村の上の方に急斜面の葡萄畑が広がります。そのため畑の手
入れや収穫など、過酷な作業です。ただその過酷以上のまじめな取り組みが、ワイン
の味に反映されます。味は正直です。今回の旅で一番感じたのは、残酷かもしれませ
んが、味のレベルの限界です。
次の三つの事例を紹介します。

 ワイン造りをしている父親と2人の息子がいます。15年前に父親から独立した長男は
超有名な父親へのライバル心からか、かなりの努力をされ、父親にも劣らずすばらし
いワインを造っています。もちろん父親とは違う畑を所有しているので土壌の違いか
ら性格の違う味わいになっています。
  父親の隠居にともない、後を継いでいる次男がかなりの畑を相続し、いくらかを長男
が引き継ぎました。そこで引き継いだ同じ畑名の2人のワインを試飲しました。明ら
かに同じ畑名のワインだと広い畑を所有する次男の方が上でした。
  そこで私は9年前の父親に質問した内容を思い出しました。私はその時、「なぜ良い
畑同士なのに生産者によって味わいのレベルに差がでるのか?その理由は?」と投げ
かけました。すると父親は「良い畑を広く所有しているから」と答えました。その時
はそれ以上聞けませんでした。
  その答えを今回味をみて理解する事ができました。要するに広ければ、収穫時により
良い葡萄をセレクトする事ができるという事です。どんなにすばらしい造り手でも同
じ様に畑に対する仕事を丹念にすれば、広さにはかなわないという事です。つまりワ
インを造る過程において、集約した良い葡萄を造る事が、一番大事だという事です。
だから良い生産者は1年のほとんどを畑に費やすのです。

 二つ目の事例ですが、彼は伯父さんのワイナリーをワイン研究所で勉強も続けながら、
手伝っています。彼が加わってワインの品質が上がってきていたので、興味深い話が
聞けると楽しみに今回訪問しました。早速、2006年産のワインを試飲しました。
  「これはひどい」どうしてしまったのか?彼は味のコメントはしませんでしたが、2
006年の収穫時の事を話し始めました。10月の初めの雨によりボトリティス(貴
腐菌)が付 き、急速に葡萄が縮み出し、早急に収穫しないといけなくなった。例年だ
と1ヶ月かけるところを2週間足らずで収穫を終わらないといけ ない。そのため今回
は葡萄のセレクトをする時間がなかったと!
  そういう事か!それに対して伯父さんの手前淡々と話す彼。でも他の良い生産者達は
その同じ状況の中でセレクトしているわけだか
ら、たぶん伯父さんの指示だったのだろう。セレクトできなければこんなにも違うの
か!結局どんなに知識を磨き、技術的な事を駆使してもより良い葡萄からしか良いワ
インはできないという事だろう。ワインの味はほんとに正直であ る。
  彼の立場もあるので、この事は伝えなかったけど、彼のワインに取り組 む姿勢を思
えば、今後も見守っていきたいと思います。

 さて三つ目の事例ですが、彼のワイナリーは個人生産者としては、ドイツで1番大き
いとの事。彼の2000円ぐらいのワインは、品質的にもとても繊細で価格パ フォー
マンスもすばらしい。その事も彼自身よく理解しており、リーズナブルな価格 になる
様努力しています。    
  たとえば、収穫時、ポーランド人を雇う。それは、ドイツ人を使うより時給で1/3
程安い。「もしポーランド人が来なくなったら、うちはダメだろう」と言っていまし
た。
  上のクラスのワインも試してみました。悪くはないけど、きめの細かさが足りない。
上のクラスになるとより葡萄のセレクトを含めた人の手による丁寧な仕事が必要にな
ってくると言う事でしょう。これが、大きすぎるワイナリーの限界なのかもしれませ
ん。私自身、過酷な仕事の上にここまで求めるのは酷だと思うけど、ワインを試せば、
そのまま味に出ているからどうしようもない。
この3つの事例を見ていくと
1、良い畑をある程度広く持っていること。ただし、機械での収穫ではなく、自分の
目が届く範囲内の広さ。
2、葡萄のセレクト。もちろん、他の基本的な努力、たとえば農薬の問題、剪定、グ
リーン ハーベスト等良い葡萄を造るための最大限の事をした上での事ではあるが。

 ただ、ワインを気軽に飲んでいただくためには、リーズナブルな価格も 大事で、大
きな生産者でもそこで出来うる最大限の努力をし、価格に見合った品質であれば、消
費者にとって有り難い事です。そういうワインが消費者にワインのすばらしさやワイ
ンの普及に大いに貢献している事を考えれば、著名な生産者でもその上にワイン文化
が成り立っている事を謙虚に踏まえ、もちろん私達も味の追求だけでなく、全体的に
ワイン市場が活発化する様、努力する必要があると考えます。  

筆者紹介 ヒロシとは?
岡山 宏 おかやま ひろし
1977年鹿児島県立甲南高校卒業。1982年熊本大学工学部合成化学科卒業後、三共株式
会社入社。1987年三共株式会社を退社し帰鹿。岡山酒店後継。1990年店舗新築後、デ
ィスカウント店としてスタート。1997年月酒専門店として再オープン。現在に至る。
岡山酒店
〒890-0054 鹿児島市荒田1-16-28
e-mail bonbon@ml.satsuma.ne.jp
http://www.connote.jp/essay/mono/mono25.htm

……………………………………………………………………………………………………

◆ご案内・お知らせ
……………………………………………………………………………………………………

お読み頂き有り難うございます。ご意見・感想をお寄せ下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
C L U B N I C H O L A M a i l M a g a z i n e  H A N A M A R U M a i l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C)2004 O F F I C E H

(クリックすると大きな画像が見れます)