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「快楽急行」 島田雅彦 |
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朝日新聞社 1500円+税 |
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快楽急行 |
先日(6/19)は、太宰治の忌日、桜桃忌でした。この本は、その「桜桃」の一節から始まります。
1毒か薬か
「子どもよりも親が大事と思いたい」は太宰治の「桜桃」の心境なら、「健康よりも快楽が大事と思いたい」というのが現在の私の心境。8頁から
3歯応えの愉しみ
料理は味覚、視覚、嗅覚のみならず、歯応え、喉ごし、内臓への刺激など触覚への働きかけが大きい。自然の産物をしゃぶり、噛み砕き、飲み込み、消化するのだから、食事とは全身で動植物と交わる営みだとさえいえる。12頁から
かたや南イタリア料理や日本料理は素材そのものの味を生かし、限りなく生に近い状態で食べるのをよしとし、口当たりや歯応え、喉ごしなど口腔の感触を重視する。(中略)
たとえば、たけのこ、たくあん、あたりめ、昆布といった食品はその味わいもさることながら、やはり歯応えの妙味が先に来る。宮崎の居酒屋では誰もが地鶏のもも焼と格闘している。ブロイラーよりもはるかに硬い皮と肉を持った地鶏の肉の旨みを味わうには顎の筋肉が発達していなければならない。とろろ芋やじゅん菜、豆腐は喉ごし、うどんは歯応えと喉ごしの両方に訴える。13頁から
ここでひと言、島田氏に言いたい!「宮崎の地鶏は味わい深いけど、格闘することはない!」本当?と思うひとは、是非名店へ。宮崎市は「とり乃屋」、日南市は「わがや」がオススメです。とり乃屋にはトリしかありません、あしからず。 |
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