2000.06.20
「雨滴声」
 先日、朝、坐禅に行きました。般若心経、白隠禅師坐禅和讃を唱えたあと、坐禅。最後に和尚さんのお話。碧巌録第四十六則についてのお話でした。簡単に言うならば、例えばあなたが霧島にハイキングに行ったとする、帰ってきて、人に「霧島は気持ちが良かった、素晴らしかった」と感想を話したとする。しかし、実際には霧島が気持ちが良いのではなく、あなたがそう感じただけ。霧島が素晴らしいのではなく、あなたがそう感じただけ。・・分かったような分からないような話です。驚くことに約1300年以上も前に、このようなことを問答していたそうです。21世紀直前の今でさえ、考えてもすぐには理解できないようなことを1300年も前にじっくりと考えていた中国人いや人間とは、いやはや想像を絶する生き物です。この1300年間に進歩したのは身の回りのことだけで、身の中身はほとんど進化していないのでは・・。
 その朝は折しも梅雨の朝。しょぼしょぼと雨が降り、坐っていると、まさしく耳にとどく音は「雨滴声」。感慨深い朝でした。

*雨滴声−雨垂れの音のこと。碧巌録第四十六則に出てくる。


2000.06.18
「イタリアの底力」
 5/29のニッキの続きです。最後の晩餐のあと、ホテルで歯科材料のレクチャーがあり、終了後、業者の方とレストランへ。もちろんイタリアン。料理、ワインとももちろんベーネ、モルトボーノ。他にも舌を巻いたことがありました。魚のコースを選んだのですが、途中不覚にもオリーブオイルがネクタイに飛んでしまいました。すかさず隣のイタリア人が「センタ」といって給仕係を呼んでくれて何やらヒソヒソ。「ネクタイをはずせ」のジェスチャー。見ていると魔法の液体で、オリーブオイルを拭き取ってハンガーに掛けてくれました。さすがはオリーブオイルの国。オリーブオイルに関することなら何でもござれ、の国イタリア。恐れ入りました。グラッチェ・ミッレ。
 翌日ドゥーモ周辺での小買いもの。プラダが半額。本店でしたけど、嘘じゃないんです。まぁミラノの物価は安いです。ただし数字は大きい(10000リラが約600円)。ちょっとタクシーに乗っても20000リラ、30000リラ。料金メーターを見ていると少々びびります。それから、変な趣味はないのですが、男が奇麗、少々暑かったにもかかわらず、シングルのスーツのボタンをきちんとはめている。ジャケットとシャツのコーディネートがおしゃれ。物価は安いし、めしはうまいし、陽気だし、絶対リピーターになってやると思いつつミラノを離れました。