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7月号から歯科医院経営へのビタミンになるような、「楽しいホームページ=おうち」の作り方の連載が始まりました。初回の家族会議、前回(8月号)のプランニングを受けて、3回目にはいります。今回はプランニングで考えた夢を実現するための、「土地さがし」のお話です。
 家族会議・プランニングときて、いよいよ土地さがしです。希望としては、プランニングで練ったプランが実現可能な場所探しです。海の見える所とか、川に近い所、見晴らしが良い等々、あなたのプランをさらに良いものにする場所を探す必要があるでしょう。平屋のプランだと、まとまった広さの土地が必要ですし、ガーデニングの趣味などがおありであれば、庭が確保できる場所探しとなるでしょう。しかし、実際の場所探しでは、仕事場や学校、駅や交通アクセスに都合がいい、買い物に便利というような、日常的な要素が優先されますよね。

 もちろん、予算が最優先とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。この連載では、予算最優先の方には、再度「プランニング」へ戻ってのプランの練り直しをオススメします。予算は、今だけの問題ですが、夢は今からの問題ですので。長い目で見る(着眼大局)とは、やはり夢優先ではないでしょうか。

 インターネットの世界では、土地や場所は無限にあります。無限にあるからと言っても、勝手にどこでも選べるわけではありません。インターネットの世界で、土地に相当するものをドメインと呼びます。お客さんにとって、お店のドメイン名が分かりやすいと、当然、足を運びやすくなります。

 このドメインについてまずお話ししましょう。このドメインのお尻につくのが、TLD(Top Level Domain)といわれるもので、ちょっと前に流行ったのが「ドットコム」です。「このドメインだと、お客で、ドット混む」とも冗談が出るほどでした。「ドットコム=.com」は、全世界の人々がこのドメイン名を取得することができるTLD(gTLD)で、ドットは「.」、コムは「com=commerce」のことです。日本では通常「.jp」を使います。ただ単に「.jp」としたり、その前に「.co」や「.ne」をつけて組織の種類などを表したものもよく見かけます。テレビ会社がほしがりそうな「.tv」というのもあります。ポリネシアの小国、ツバルのドメインです。簡単にいうと、このTLDと、皆さんご存じ「www」の間に、会社名や団体名、もしくは個人のニックネームなどを入れたものが住所・アドレスになり、この連載の住所は「www.nichola.jp」になります。 

 さて、このドメインは、インターネット上の世界共通の住所ですので、希望する住所が、使える住所(まだ他人が登録していない)かどうかを調べて、きちんと登録する必要があります。一戸建ての家を建てる場合このドメイン取得が必要になってきます。「www.nichola.jp」や「www.quint-j.co.jp」は一戸建てです。ただし、すでにドメインを持っているところに間借する場合は、マンションやアパートの住所(ドメイン)に部屋番号に当たる自分の名前を付け足すだけで、独自の住所を作る事もできます。例えばクイントに部屋を借りるとすると「www.quint-j.co.jp/nichola」となります。間借でも一戸建てと外見は変わりませんが、住み心地(使い勝手)は一戸建てに及びません。

 このように、ホームページでの土地探しとは、アドレス取得のことです。お店や会社に、たくさんの人に訪れてもらうためには、覚えやすい・かっこいい・使いやすい住所のほうがベターでしょう。ホワイトニングを看板にしたければ「white.com」とか、義歯中心なら「ireba.jp」とか。もちろん診療所の名前も可能です。

 第一回、第二回とポジショニング、チューニングのお話でした。さて今回は、スタイリングのお話です。
 以前、コンビニエンスストアについて、次のような話を聞いたことがあります。コンビニエンスストアが、雨後の筍のように乱立した時に、あるコンビニエンスストア大手は「いかに、お客さんに足を運んでもらうか」に腐心したそうです。まず、トイレを開放して、道案内を充実して、電気・水道料金の支払いを可能にしました。つい最近のニュースでは、郵便ポストを設置したそうです。ご存じのように、コンビニエンスストアのコンビニエンスとは、「convenience=便利、便宜、好都合」です。コンビニ本来の商品は、便利そのものという戦略なのでしょうか。お客さんがひとりでも多く足を運んでくれれば、結果的により多くの商品が売れるという図式です。

 では、インターネットの世界のお店(ホームページ)に、多く足を運んでもらうためには、どうすればいいのか?ありきたりの答えですが、端的に言えば「口コミ」です。たまたま訪れた人が、再度、足を運んでくれて、一見さんから常連さん(リピーター)へ、常連さんから超常連さんへ。もちろん、お店の宣伝という方法もあります。応用編で話しましたように、覚えやすい、目を引くようなアドレスを取得するとか、知り合いや歯科医師会のホームページにリンクをはってもらうとか。しかしながら、確実な来客数増加法は、リピーターを増やすこと、言い換えれば、一見さんがリピーターになってくれるような、ホームページの作成であると言えるでしょう。リピーターを増やすヒントになるような「ニコラ・スパイラル」(図1)を、参考にしてください。

 さて、スタイリング。古い映画で恐縮ですが、「アメリカン・ジゴロ」(1980,米)のなかで、主人公のリチャード・ギアが、女性に会いに行く前に、自宅のベッドに服をズラズラッと並べ、選ぶシーンがあります。ポジショニングで、自分の夢や希望を絞り込み、チューニングで大まかな内容を決めました。今度はスタイリングで、映画の中での「服のコーディネート=スタイリング」です。スタイリングというものは、なかなか自分自身、自分ひとりでは、クールなものにはなりません。数十年培われた、好みや習慣が優先して、新しいスタイルやかっこいいスタイルは作りにくいものです。

 そこで、今回の連載のようなスタイリスト的専門家の手と知恵を借りてみてはいかがでしょうか?もちろんそうなると、プロの力を借りるわけですから、プロへの経費も必要となります。予算を低く抑えたいのは、誰しも同じ考えです。しかし押さえたために、出来上がったものが陳腐なおうちであれば、友人を招きたくなるでしょうか?あなたの診療所のアピールになるでしょうか?

 プロの力を借りることによって、初期投資は若干増えるでしょう。しかし、プロに知恵を借りることによって、長い目で見たコストダウンや、効果的なお金の使い方など、すなわち、着眼大局へつながるということは、想像に難くないと思います。

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