デンタルエコー vol.121
2001年01月10日発行

連載●第2回


ニンテンドウ効果  システムづくり

 さて、ニコラシカは無事オープンしました。
 ところで皆さんは、ニンテンドウのむかしの社名を御存じでしょうか。「任天堂骨牌」といって、その名のとおりカルタやトランプを作っていました。その後、「任天堂」に社名を変更し、カルタ・トランプからファミコンへと主力商品を変えていった会社です。
 このファミコン、いわずと知れたゲームのひとつですが、このファミコンの売れ行きを左右するのがゲームソフトの良否です。そこで任天堂は考えました。

 高品質の良質なソフトだけが、世に出るにはどうすればよいか。
 ソフトの出来にかかわらず、たとえソフトがヒットしなくても任天堂が損しない方法は無いのか。
 良いソフトが他のゲーム会社に流れない方法はないのか。
などと、いろいろ考えました。その結果、自社では全く生産設備を持たずに、膨大な利益をあげる会社に変貌していったのです。

 この本を読んで、ニコラも考えました。
 開業したてのニコラ・シカが、ファミコンやスーパーファミコンにとは言いません、せめてゲームボーイくらいになるにはどうしたらいいのか? もう一度この本を読んで考えました。
そうして得た結論は、「システムも商品になる・システムづくりに価値が  あああああある」です。
 また、あるコンビニエンスストアーの会社は、モノを売る商売から、人を集める商売へと切り替えたそうです。人が足を向ける、足を運んでくれる、結果的にモノが売れる。加えて、コンビニエンスストアーの多くは24時間営業です。しかしながら、朝、昼、夕、夜と来られるお客さんの層は異なっています。そこで、その時間帯に合わせて、その層に合わせて、商品の並べ替えをしたそうです。商品は同じでも、並べる場所が違う、このようなことも、ある意味ではシステムづくりと言えるのではないでしょうか?
 桃李不言、下自成蹊(桃李ものいわず、下自ずからこみちを成す)という中国の名言があります。しかし今は平成、こんな悠長なことを言っていたら美味しい桃李も腐ってしまいます。桃李が熟す前に、しっかりとした小道づくりが必要でしょう。
 小料理屋にしてもバーにしても、客が先か、店が先かという問題があります。客が店を育てるのか、店が客を育てるのか、ということです。歯科の場合は店が先だと思います。
笑顔共和国の福田純子さんのお話に、にこにこサイクルとぷんぷんサイクルというのがあります。誰だって、にこにこサイクルの方がいいに決まっています。

そこで、ニコラサイクルと苦虫サイクル。患者さんも含めて誰だって、苦虫を噛み潰したような顔の人よりはニコッとした人の方がいいに決まっています。→図参照

A ニコラサイクルシステムづくり
B 元来、人はlazy(怠け者)な生き物ですので、ニコラサイクルに誘導するシステムづくり
C 天然歯に対して低い価値を持つ人、天然歯の価値を知らない人をニコラサイクルへ誘導するシステムづくり
D 天然歯に対して高い価値を持つ人に、さらに高い付加価値の情報提供並びにサービスを供給するシステムの構築


 この4つのシステムの構築は、4つとも同時進行でも構わないでしょう。しかし、ニコラ・シカは開業間もない診療所です。まずはニコラサイクルの構築から取り組んでみようと思っています。そして、いずれ B、C、D、へとアップグレード。
各システムの構築についてはまた別の機会に詳しくお話ししましょう。


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ちょっと気になるあの仕掛け −2−

人の目を引きつける磁石

磁石と言っても、磁性アタッチメントの話ではありません。掲示板としての白板と、掲示物をとめる磁石のことです。
 歯科診療所内には意外といろいろな掲示物が有ります。時に行政からの告知などは無味乾燥なものであったり、また反対にパソコンの普及で、カラー刷りのお知らせが自家製で簡単に作れるようになりました。無味乾燥なお知らせには彩りを添えて、多色刷りのお知らせには雰囲気をこわさぬように、ちょっとした仕掛けとして写真のようなマグネットは結構楽しいものです。
 見て欲しい、読んで欲しいものが掲示物とするならば、来院者の目をいかに引きつけるかがポイントでしょう。
 以前は、コルク板におしゃれなピンでとめていました。しかしピンがはずれるたびに掲示物には穴が増えていきます。せっかく多色刷りした小粋なお知らせも、穴だらけ。時にピンが落ちると来院者の方にも迷惑です。
 そんなときにふと思いついたのが、このマグネット。ちょっとした文房具店や東急ハンズなどに行けば、ありとあらゆる楽しいマグネットが並んでいます。トイレのマグネットなどはそのものズバリ、トイレのドアーにトイレの表示としてつけました。
 最後にひとつ良いことをお教えしましょう。マグネットはお店で買ってくるとして、白板はどこで?よくみるホワイトボードは好みの大きさがなかったり、ペン皿などの不要なものがついていたり、しかも結構高価です。そこでアドバイス。
 まずリーズナブルなポスター用の額を買ってきます。次に、看板屋さんに電話。薄い白い鉄板をいれてもらうと、あっと言う間にマグネット用の白板に早変わり。お手軽でお好みの掲示板の出来上がりです。ポスター用の額ですから見栄えもいいし、楽しいマグネットで、絵を飾る感覚での掲示板となります。
さすが磁石、人の目も引きつける!



少・年・易・老・学・難・成

【その2】朝のラジオに学ぶ


 その1で「パズルに学ぶ」として、時間の使い方について話しました。その昔、小学生の頃、「勉強は時間×集中度である」という先生のお話がありました。ただ、だらだらと時間ばかりかけていても、集中していなければ効果は上がらないとのこと。
 さて、テレビ嫌い、ラジオ大好きなニコラとしては、ラジオこそ、一石二鳥いえいえ一石三鳥だと思うのですが?。
 朝起きて、夜寝るまでどこかしらラジオの声が流れてきます。特に、朝、徒歩通勤中のラジオは頭へのマルチビタミンです。「朝のリンゴは金、夜のリンゴは銅」という西洋の諺があるそうです。同じリンゴでも朝の方が、夜食べるよりも、体のために良いらしいのです。同じことがラジオにも言えるような気がします。
 では、朝のラジオの利点をいくつかあげてみましょう。
 まず第一に、当たり前のことですが、ラジオは音声のみですから耳を使うだけですみます。他の作業(コーヒーをいれる、散歩する等々)と同時進行が可能です。
 次に、ラジオは音声のみですから、あまり素人が登場しません。ですから、会話がおおかたプロの会話です。変な日本語、きたない日本語はあまり流れてきません。
 また、ラジオはプロが奇麗な日本語を使い、ある程度かみ砕いて話を進めてくれます。それは、あたかも親鳥が餌を少し噛み砕いて雛に与えるが如くで、経済や政治・外交の話であっても非常に解り易く、耳にはいってきます。
 民放であっても、朝から娯楽番組は流れてきません。政治、経済、社会、健康と幅広く、知っていて損しない、ためになる情報満載です。
 また映像がないので、常にイメージングされながら脳にインプットされます。このため、いろいろな情報が脳に長時間とどまるような気がしますし、またイメージトレーニングの練習としても非常に効果的です。
 ラジオはテレビと異なり、音声のみですので、聞きたくない番組の時にスイッチをOFFにすることに、さほど勇気を必要としません。
 ですから、ラジオとの関係はまさしく「君子の交わりは淡きこと水の如し」であります。
以上のように、徒然なるままにラジオの利点を述べてみました。テレビにどっぷりと浸かっている人も、一度きれいに足を洗って、ラジオに浸って見ませんか。温泉に似た心地良さがあります。



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