no.73
2010/04
「味噌・醤油・塩・酢・浅葱・初鰹」

瀬戸正洋


「マンジャーレ・カンターレ・アモーレ!」

まずは掲句。解説に「調味料、そして薬味、初鰹。単語の羅列だけでできた句。映画のカメラが台所を撮影しているような感覚がある」(食の一句)とあります。まさに、ここ日南は今が初鰹の旬、もちろん堪能しました!ちなみに浅葱はあさつきと読みます。初鰹と言えば江戸前期の俳人、山口素堂の句「目には青葉山時鳥初鰹」には、正しくは「は」が入っています。

さてタイトルの三つの語句。イタリア語をかじった方はご存じ、イタリアに興味ある人にも耳なじみの言葉でしょう。イタリア人は「食べる・歌う・愛する」ために生きていると、よく日本では評されます。これに関するイタリア人の興味深い記事を見つけました。来日後はじめこそ面白いと感じたが、あまりにも目にするので、今では次元の低いステレオタイプだと思うようになったとのこと。同時に、ふと気がついたそうです。この三つはすべて「口という器官」が関係している!言われてみればそうですね。食べる、歌うはもちろんのこと、彼の解釈では「愛する=キス」で、やはりくち。カルノはその昔「モノゴトのイロハ」を「物事の胃口歯」ともじったことがあります。イタリア人のみならず日本人もアジア人も、いな地球人の多くは「食べる・歌う・愛する」楽しい日々を送りたいと願っていると思います。その主役が口です。この際、口という器官を「人生を味わうための器官」ととらえてみてはいかがでしょうか。記事の中で彼は「口の筋肉を鍛えれば、その三つがより良くなるのでは」とも書いています。人生を味わうために、歯科医院で定期的なメンテナンス(クリーニング)を受ける。より味わい深い人生への隠し味ならぬ隠し技。是非、歯のお手入れは自宅のみならず、歯の美容室(歯科医院)へも。歯は磨いても、もらうもの!ムシ歯は、セルフケア+プロケア=100%予防可能!

「人生とはマンジャーレ(胃)・カンターレ(口)・アモーレ(愛、ハート)」これすなわち「人生のイロハート」。

参考文献:食の一句 櫂未知子
     おいしく旅するイタリア語講座 料理王国2004/07号





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