no.36
2001/01
「買初にかふや七色唐辛子」
石川桂郎 [1903-1975]東京芝の生まれ

C的生活

 もういくつ寝ると新世紀と唄っていたら、あれよあれよと言う間に明けてしましました。今からちょうど百年前の1901年(明治34年)に、文芸評論家高山樗牛は「美的生活」を唱えました。『糧と衣よりも優りたる生命と身体とに事(つか)ふるもの、是也』すなわち、物質的繁栄や社会的地位よりも大切なもの、これこそ美的生活である。(文藝春秋2001年1月号170頁参照)
 今回、新世紀(New Century)を祝して「C」にこだわってみました。題して「B的生活」ならぬ「C的生活」。まずは思いつくままに「C」の付く単語をあげてみましょう。

change -チェンジ、変化、気分転換。
chance -チャンス、機会、好機、巡り合わせ。
courage -カーレッジ、勇気、度胸。
cheer -チア、喝采、健康を祝して乾杯。
concept -コンセプト、構想、概念。
cure -キュア、治す、治療する。
care -ケア、気配り、世話。
communication -コミュニケーション、情報。
comfort -コンフォート、安楽、快適、慰安、生活を楽にするもの。  etc.

 歯科医療のみならず医療は、cureからcareへ、careからcommunicationへというのが持論です。例えて言うならば、石につまずいて転んで膝をパックリ、四針縫ったというのがcure-治療、転んだけど擦り傷で唾付けたら治ったというのがcare-手当。石があるから気を付けてと声かけて、転ばずに済んだというのがcommunication-コミュニケーション。CCCへの変遷です。今回さらに四つ目の「C」の追加です。それはcomfort-安楽、快適です。治療を受ける前も、受けている時も、受けた後も快適。まだまだ不十分ですが目標とします。加えて思うに、医
療の原点とは、生活を楽にすること、コンフォートそのものではないでしょうか。ただし、同じ「C」でもcaries-カリエス、ムシ歯だけはご遠慮いただきたいものです。


七色唐辛子

 この句の解説から-七色というのは蕃椒(とうがらし)に胡麻、陳皮(ちんび)、罌粟(けし)、菜種、麻の実、山椒の七つ(本山荻舟『飲食事典』平凡社刊)。これは決定的ではなく、紫蘇や青海苔を加えることもあるし、唐辛子も生と焼いたのとの区別がある。関東はナナイロと読み、関西は七味と書き、シチミと読む。

 参考文献 草間時彦 食べもの俳句館 角川選書




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