no.31
1999/10/01
「手土産の蕎麦まんぢゆうの秋日和」
草間 時彦(俳人 1920年東京生まれ)

ヒーリング=癒し

先日朝、海岸線を走っていたらちょうど日の出でした。九月の声を聞いてさすがに風のおとにぞおどろかれぬるで、空気は澄んで清々しく、空は高く、清澄な日の出でした。その時感じたのが癒しです。歯科診療所にとって一番必要なことは患者さんへの癒しなのではないでしょうか(今頃気づいてどうすると言われそうですが)。痛みを取ることはもちろんのこと、違和感のない前歯を入れる、噛んでも痛くない入れ歯を作る等々。以前は癒しとリラックスを同じようなことと考えていました。しかし、健康人にはリラックスと呼べることも、病気を持つ人、患者さんにとってはリラックスと呼ぶには不十分であったり、時に皮肉や嫌みになりかねないような気がしてきたのです。昨年福岡はキャナルシティで劇団四季の「キャッツ」を観ました。「キャッツ」に出てくる元娼婦ネコがせつせつと歌う『メモリー』、なぜか癒しを思うときこの歌声が耳に届きます。実際には長時間口を開け続けてもらったり、麻酔の注射や歯を削る際の痛みなど患者さんに対して癒しどころか、かなりのキヅツケを強いることもしばしばです。近頃、中村喜春さんの本「喜春流 味なことば」に『刃の傷は癒すべきも言葉の疵は癒すべからず』を見つけました。刃で受けた傷は治るが、一度口に出した言葉による疵は元には戻らない。ただでさえ癒しを求めてやってこられる患者さんに不用意な発言をしてしまうとそれはもう因幡の白兎です。これを機にもう一度「癒し」について考え直してみます。

参考文献 「喜春流 味なことば」中村喜春 講談社




哲心=てっしん

えぇ新蕎麦の季節となりやした。うまいものを喰うことほど身も心も癒されるものはございません。今は昔、人に聞いてその蕎麦屋の暖簾をくぐりました。注文してふと卓を見ると「さるやの楊枝」。この瞬間「このそばやはうまい!」。案の定。以来日南から通っております。遠くないのかいって?いえいえいつも哲心はそばや。おあとが宜しいようで。

 哲心 0985-27-7724 (宮崎山形屋横 月休み)





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