no.24
1998/1
「屠蘇の酔大福長者となりにけり」
尾崎紅葉(1867〜1903 小説家、俳人、江戸の生まれ)

aperitif=アペリティフ、食前酒

食前酒とは、食前に食欲増進のために飲む酒のことで、お屠蘇や乾杯のビールも食前酒といえるかも。今回は食欲増進についてのお話。

イ)いただきます。
毎日新聞余録に「食堂で見知らぬ若い女性が『いただきます』とお辞儀しあって食事しているのを見ると、こっちまで食べ物がおいしくなる。『いただきます』はこの上ない前菜だ」(97年11月2日付)とありました。
まずは声高らかに「いただきます」。
ロ)朗読。
ルイ・ヴィトンニュース(ETE 1997)に「先生はメニューを詩集のように朗読する癖がありました。そこに書き連ねられた料理の名前を全て声に出して読み上げるのは、アペリティフを飲むのと同じ効果があるとの御説です。食欲は目や鼻や舌からのみならず、耳からも刺激されるというわけです。−略− それが日本料理の品書きなら謡曲調か長唄風になり、イタリア料理のメニューならオペラ風になり、中華料理なら京劇調で、鳴り物が入るのでしょう。」
メニューがなければその料理の材料、使った調味料、料理法を尋ねるも良し。
ハ)いただきます。そして朗読。食前酒で乾杯!!
ということは、食前酒とともに大きな声でいただきますを言って、和気藹藹と談笑しながら食べる。
食欲増進は今後、高齢化社会、介護などにおいて重要なポイントになるのではないでしょうか。

屠蘇=とそ

酒にひたして年始に飲む薬。魏の名医、華佗の処方という。山椒・防風・白朮・桔梗・蜜柑皮・肉桂皮などを調合し、紅絹の三角形の袋に入れて多く味醂に浸す。1年の邪気を払い、齢を延ばすという。平安時代から行われる。屠蘇散。屠蘇延命散。

(広辞苑より)





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