no.22
1997/7
「あてなるもの。・・・削氷に甘葛いれて、
     あたらしき金鋺にいれたる・・・」

清少納言(平安中期の女房。『枕草子』第四十二段より)

あてなるもの=上品なもの

暑い宮中の昼下がり、清少納言は女房とともに、帝に献上された氷のお相伴にあずっかていた。金鋺の冷たさも手に心地良く、匙で削氷を運ぶその口元には、御歯黒で黒く光る歯がぎらり・・・。当時、夏の氷は貴重品で、山陰の氷室より献上品として運ばれたそうです。
さてタイトルの「あてなるもの」。武島羽衣の歌に、「美しき天然」があります。一番の歌詞では鳥のさえずりなどの天然の音を、二番では紅葉などの天然の彩りを、三番では青松白砂などの景を誉め称え、そしてそれらはみな神の御手による賜物と歌いあげています。
天然歯(てんねんし=一度もムシバになったことのない歯)という言葉を御存じかと思います。天然歯はあてなるもの。天然歯は上品です。そして天然歯を守り、維持するのは神の御手ではなくブラシとフッソです。あなたの持つ、身につけているあてなるもの。その中に天然歯があることをもう一度、鏡で見直してみて下さい。

参考文献 『和菓子ものがたり』中山圭子著 新人物往来社

PMTC=専門的器具使用歯牙清掃

天然歯を思う存分使うこと(食べる、飲む、話す、唄う、笑う、ほほえむ、噛む、食いしばる、歩く、スポーツする、etc.)が患者さんの仕事なら、その歯を守り、維持することが歯医者の仕事です。そこでPMTC。なにやらムズカシソウな言葉ですが、簡単に言えば、茶シブ取り、ヤニ取り、オーラルエステです。北欧で開発された今までにない新しいステイン除去法で、痛くなく(キキキ・・・ともひびかず)、歯の表面をキズつけることもなくステインを取り除き、表面をツルツルにします。同時にフッソ塗布も行いますので続けることにより、ムシバ予防、ひいては歯ソーノーロー予防の効果もあります。

 歯を白く ハグキピンクに 吐息は甘く

ステイン=ヤニ、茶シブ、コーヒーシブなどの外来性の付着物





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