no.5
1993/4
「ゆで玉子 むけばかがやく 花曇」
中村汀女『汀女句集』(昭和19年)所収 熊本県生まれ

「はは大切」

あなたは何と読まれましたか?
「母、大切」、「歯は大切」ならどちらも正解です。4月にはいって入学、進学で気持ちを新たにされた方も多いことでしょう。歯科検診も同様です。からだの中で、生まれて初めて大人になるのは「歯」です。6才臼歯と呼ばれる第1大臼歯で、この歯は立派な大人です。しかし子供たちは目分の口の中の小さな大人に気付いていません。そこで「母、大切」です。お母さん(お父さん)のチェックが重要で、中学年になるまでは「ママはおうちの歯医者さん」でいて下さい。小学生のうちは「母、大切」中学生になったら「歯は大切」で。ではもう一度「はは大切!!」

「花よりまんじゅう」

「花より団子」とは江戸元禄時代に生まれた言葉で、団子の方が饅頭より大衆化していた。なぜなら団子らしきものは縄文時代頃からあったと言われ、饅頭についてはその起源を1241年、宋からの弁円による虎屋饅頭、1341年、元よりの林浄因による塩瀬饅頭としている。落語の「饅頭こわい」には葛饅頭、唐饅頭、蕎麦饅頭、栗饅頭、酒饅頭、腰高饅頭、中華饅頭などの饅頭が登場するが、ここでは宮崎の饅頭として名高いチーズ饅頭の話をしたい。今回食べたのは、宮崎市の「わらべ」、小林市の風月堂、南国屋、都城市の福屋のチーズ饅頭。かなり個人的偏見もはいるが、何といっても「わらべ」が金メダルで他のチーズ饅頭は銅メダル。「わらべ」のチーズ饅頭はあんに相当するクリームチーズの塩け、舌ざわりもさることながら、皮の歯ざわり、香ばしさは格別。金メダルと言わずプラチナメダルをあげたいくらいである。

「こひしい恋しいコーヒー恋しい」

わたくし、かるのうは紅茶はあまり飲みませぬが、お茶、水、コーヒーはがぷがぷ飲みます。好きな喫茶店に、美美(福岡市)、琥珀亭(鹿児島市)、蘭房(都城市)があります。なかでも美美(びみ)の珈琲は美味で、上質のバーボンのような甘みをじっくりと味わうことができます。この美美を好きになったのは1つの驚きからでした。かれこれ10年以上前、初めて美美のカウンターで珈琲を飲んだ時に、なぜか眠くなりました。目覚ましの珈琲のつもりが不思議なものだと思い、その時こう考えました。この美美では珈琲を供すのではなく、寛いだ時間を提供しているのではないかと。一度眠くなるコーヒーを飲んでみてはいかがかな。ちなみに美美の伝票には次のような文が記してあります。
「ダルマサンガコロンダすきに
世の中も変っとる
ゆっくり珈琲ば飲んで
元気に起き上がってみんしゃい
何か手があるや呂」






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