オススメ.49 2004.12.15
京都の値段

柏井 壽 著 
プレジデント社/1,350円+税
京都の値段

 堀口大学の詩に「そねむ心は自分より 以外のものは傷つけぬ」という下りがあります。しかし、この著者には、妬んでしまいました。本業は同じ歯科医なのです。しかも根っからの京都人。

 「お茶の時間。まずはお湯を沸かす。しゅんしゅんと沸いてきたら、ブリキの茶筒をすぽんと開け、さらさらと急須にお茶っぱを入れ、やかんの湯をしゅわーっと注ぐ。待つことしばし。葉っぱが開いたら、家族それぞれに決まった湯呑にお茶を入れる。一杯のお茶を飲むまでにいろんな音がした。他愛もない噂話のこともあれば、深刻な家族の悩みもある。このわずかの時間に交わす会話が家族を結びつけていたのであって、その様子をじっと見守ってきたのが茶筒である。」(104ページより)

 先日、この本を携えて京都に行って来ました。夕方、京都駅裏のホテルを出発して、まず、この「開化堂」。そのあとに「はれま」のじゃこ山椒。「ひさご」に並ぶ人を横目に見ながら予約した料理屋に足を運び、三次会で「BAR K6」のカクテルまで。その時はすでに、日付は変わっていました。翌朝、「いづう」の鯖姿寿司をみやげに。次なる京都出張の際には「鳥岩楼」の親子丼に、夕食は「忘吾」かな・・と、この本を開いては今から計画を練っています。

 けど、いつ行っても「やっぱ、京都はいいなあ」

京都の値段 その二

●柏井 壽 著
  プレジデント社/1,350円+税




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