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ハイク・イント
●ハーブ(herb)
薬草、香味料とする草の総称。
●パセリ(parsley)
セリ科の二年生草本。地中海地方の原産で、野菜として広く栽培。17世紀頃日本に渡来。オランダゼリ。
●セージ(sage)
シソ科アキギリ属(学名サルビア)の多年草。葉は薬用とし、または香料としてソーセージなどに用いる。
●ローズマリー(rosemary)
シソ科の常緑小低木。
●タイム(thyme)
南ヨーロッパ原産のシソ科の小低木。
●セロリ(celery)
セリ科の一年生または二年生葉菜。ユーラシア温帯に広く分布する野生種に起源。16世紀末、朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰ったといわれ、清正人参の名がある。オランダミツバ。

2003.March
芹レタスセロリパセリよ血を浄めよ
山本左門 [1996年度地表賞受賞作品]


 この句の解説には「自然から遠ざかるほど、人は病気に近づく」とあります。皆さんのなかには、芹と聞くと「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ、春のななくさ」を思い浮かべる方も多いことでしょう。
 本を読んでいましたら、次のような文を見つけました。
「春にがみ 夏は酢のもの 秋辛み 冬は油で 合点して食え/この歌は、明治の食養学者・石塚左玄博士の作である。目を自然界に移すと、春になれば、フキノトウ、筍、せり、なずなといった旬の山菜、野菜はどちらかといえばにがみっぽい。夏はキュウリ、トマト、ナスといった酸みある野菜に代表される。こういった酸みは、上がった体熱を下げる役をする。秋の辛みは、しょうが、とうがらしがそうである。/つまり、ピリッとした食感は、夏のダレきった心身を正常に目覚めさせ、同時に、この辛みがさらに食欲を増進させて、その血、肉が冬への備えとなる。冬の油は、いうまでもなく避寒のためである。そして、春のにがみが、この冬に溜まった汚血を浄化する作用をもたらす。/このように、われわれは天然自然の恩沢によって生かされている。天然自然とともに生きていけばいいのである。」(「心に花を、食に潤いを」174〜5頁より)

 さて、いささかお坊さんの説教じみてきましたので、軽やかなポップスへと話題を転じましょう。ひょっとしたら、若い人はご存じないかもしれませんが、小生の好きな映画ベスト3に入る作品に「卒業」(1967年/アメリカ/主演:ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス)という作品があります。この映画の挿入歌のひとつが、サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」です。メロディーが浮かぶ方もいらっしゃるでしょう。そうです、「Are you going to Scarborough Fair」で始まるこの歌、これに続く歌詞は、なんと「Parsley , sage , rosemary and thyme」なのです。このフレーズは、その少しもの悲しい、幻想的な調べにのって何度となく繰り返されます。「Parsley , sage , rosemary and thyme」はそのまま彼らの第3作のアルバムタイトルにもなりました。
 パセリ、セージと聞くとハーブで、芹、薺(なずな)となると、山菜か野菜のようですが、単に言葉のあやで、芹、薺もハーブといえます。また、意外にも、パセリ、セロリはセリ科の植物で、ローズマリーはシソ科、セージもシソ科でサルビアのことです。セロリにおいては、日本には16世紀末に、加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰ったとされ、清正人参の異称があるそうです。驚きですね。

参考文献
1. 藤井宗哲.心に花を、食に潤いを−宗哲和尚の心食談義.
東京:東京堂出版,1983.
2. 清水哲男.増殖する俳句歳時記
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