2000.02.29
「入れ歯の研修会其の壱」
 去る土日に、入れ歯研修のため東京出張でした。万全の体調で研修に臨むために金曜の夜から東京に入りました(ホンマカイナ)。
 金曜夜、この時期はやはり鮟鱇鍋ということで神田の「いせ源」へ。お店に、はいる前にトイメンの「竹むら」で揚げ饅頭のテイクアウトを予約。「いせ源」の前は、寒さのせいもあってか予約なしのお客さんで黒山の人だかり、その中をかき分けいせ源店内へ。僕らを見るなりいせ源のドアマンらしき男性に「カルノさんですね、こちらのお部屋です」。なんで分かったんだろうと訝りながら小部屋へ。予約はコースのみということで、あまり期待していない刺身などをとりあへずつつきながら待つことしばし。目の前にひろがるは鮟鱇鍋のワンダーランド。口の中は唾液でいっぱい。しかしここにはルールがある、仲居さんの「どうぞ」のひとことがあるまでは決して箸をつけてはいけない。どんなに鍋に拘りがある人でもここでは鍋奉行になってはいけない。シャンとしていた三つ葉がクニャッとなり、そろそろ待つにも限度があると思っていると、例の仲居さんが「もういいですよ」。せく気持ちをさとられないように、箸を伸ばす。あぁやっと、鮟鱇、アンコウ、あんこう。このあとは筆舌に尽くし難いので割愛。帰る時にわかったのですが、ドアマンらしき男性は仲居さんたちからおじちゃんと呼ばれていました、あのおじちゃんも「いせ源」の顔のひとつだなと思いながら外へ。
 さて、鮟鱇で腹一杯でも「竹むら」の揚げ饅頭だけははいるから不思議。ぱくぱくっと二、三個摘んで次なる店へ。
 次なる店は「トニーズ・バー」。新橋駅前というか銀座八丁目というか、こんなところにこんな店が、という場所にある。このTony’s Barは、知る人ぞ知るバー。この店にもルールがあって、『女性だけはお断り、他の客にみだりに話しかけない、終電で帰るなど云々』。鰻の寝床とはまさしくこのこと、しかもカウンターの長さと椅子の数が合わない。文字どおりのバー、立ったまま足だけバーにのせてのとまり木。壁じゅう酒のビン。トニーさんに聞きました、『マスターはこのお酒の味全部わかるんですか?』「わかりますよ」『健康な味覚を保つために何か心がけていらっしゃるんですか?』。するとニヤッと笑って「酒をあまり飲まないこと」『うーん、まいった、完敗』。心地よいバーには必ず良いマスターがいらっしゃいます、そして良いマスターの必須条件は何と言っても、えも言われぬ笑顔でしょうか。次にトニーさんの笑顔に会えるのはいつかなと思いながら店をあとにしました。
 時計を見るとまだ時間あり。手元には本「to the Bar」。リトルスミスは満員でダメ。目指すは「モーリ・バー」。マーマーフーフー(台湾語)でした。ここで面白かったのがお店の人と常連さんの会話。アバンティじゃないですけどつい聞き耳を立ててしまいました。なんと日南の焼酎「甘露」についての話。思わずその話に割り込み一言『今度送ります』。 というところで、この続きはあしたの心だあ。

参考文献 「to the Bar」 成田一徹 成星出版


2000.02.12
「みかんジュース」
 日南はみかんの産地です。特に温州みかんは生産量が多いようです。今冬はみかん農家にとっては豊作貧乏だったそうです。結構みかんを頂きました。そこで古くなった(外見上のみ)温州みかんの美味しい味わい方をお教えしましょう。皮を剥いてミキサーにかけてジュースへ。好みでジンを加えれば美味なるカクテル。カルノは最近手に入れた40年ものの地元の焼酎(www.kyo-ya.com)を少々入れて飲んでいます。その味は如何。温故知新の味とでも申しましょうか、非常に味わい深く、まさしくひと昔前のロイヤルの宣伝(砂漠の大道芸人)を味にしたような味です。このみかんジュース、やはり決め手は上等な温州みかん。上等というのは外見ではなく中身。可能ならば樹齢30年以上のみかんを。今回使ったのは樹齢30年から50年のみかんです。その果汁に40年ものの焼酎を垂らす。まずいわけがありません。そのうちカルノが喫茶コビをオープンしたら、季節限定メニューで出しましょう。
ポンカンでも試してみたのですが、軍配は温州みかんにあがりました。学生時代、銭湯に通っていた頃のこと。寒い夜はこのポンカンを懐に隠し持ち、まずこっそり湯に浮かべておく。身体を洗ったあと湯船に身を沈め、おもむろにポンカンを剥く、剥いた皮はそのまま湯に浮かべる。皮の油がお湯に浮いて湯気に混ざっていい香り。そうしてお湯に浸りながら冷たいポンカンを食べる。ポンカンの香りに包まれて、湯に浸かっての冷たいポンカンの味は格別。銭湯に居ながらにして気分はもう高級露天風呂。ポンカンはジュースより銭湯ポンカンの方がいいようですな。
もうひとつ、時期はずれますが、日南特産のみかんに日向夏(ひゅうがなつ)があります。グレープフルーツの日本版みたいなみかんです。実はこのジュースもかなり美味です。時期も終わりになると一袋いくらで店先に並びます、それを待っての贅沢なジュース。日南ならではの贅沢な味わい方です。みかんのせいで日南には風邪も寄りつかない。


2000.02.09
「うまいもの」
 数日前、5月の連休に一泊二日の予定で、車で岡山から宮崎に行きたいが、うまいものを教えて欲しいとのメールが舞い込みました。カルノなりに考えてみました。かなり個人的好みが入ってますのでその点はご容赦のほどを。
1−まず、行動力が有って方向音痴ではないとする。
5/2の朝に着かれるとして、まずは宮崎自動車道の終点まで行って、左折して高速をおりて一路北、宮崎市街地へ。大淀川を渡り始めたら中央線よりの車線へ。橋を渡ってすぐの信号を右折。しばらく行って二つ目か三つ目の信号をまた右折。大淀川の堤防が真正面に見えて、左折。右手に堤防、大淀川。左側がホテル。宮崎観光ホテルをさがす。緑色の大きな建物なのですぐ分かる。ドアマンに駐車場を聞いてまずは車を停める。「たまゆらの湯」で朝風呂。朝御飯は適当に軽く済ます。車を移動しても良いが面倒くさければそのままにして歩く。ホテルマンに宮崎山形屋(みやざきやまかたや)の場所を聞く。11:30になると「哲心」が開く。そこで蕎麦を食う。もしくはその哲心から徒歩一分の処になんとチキン南蛮発祥のお店「レストランおぐら」が有るのでそこでチキン南蛮を食べてもよし。夜となると、ちと迷う。宮崎は肉、魚、鶏(地鶏)全てうまい。肉ならば「ホルモンの壺や」。魚なら「ととや」。地鶏ならあまりにも有名な「丸万」。隠れたところで「万作」。食べたあと、カクテル飲むなら「続人間」。「蚤の市」。仕上げにラーメンならぬ釜揚げうどんで「戸隠」。他にも、居酒屋なら「榊」。イタ飯なら「アクアビット」。寿司なら「西栄寿司」。これらの店が半径500メートル内にあります。
2−そんなもんじゃつまらん、もっと何処ないかとなると。
西都市の鰻「入船」。高鍋の牡蛎「高島」。オタクな地鶏なら末吉町(鹿児島県)の「愛の里」。
3−土産物はこれしかない。「わらべ」のチーズ饅頭。絶対要予約。
 おっと、名物を書き忘れました。冷や汁と地鶏になるのでしょうか。冷や汁はちょっとした店のメニューにはのっているとは思いますが、ホテルの売店にパック入もあります。冷や汁はその昔、各家庭で夏の食欲減退の際に作っていました。このためすき好きが有り、ここの冷や汁がうまいというのはあまり聞きません。地鶏は「万作」「丸万」でしょう。熊本の辛子レンコンに相当するようなものは特にありません。宮崎県北部の延岡市の土土呂(ととろ)の高橋水産のチリメンジャコくらいでしょうか。椎茸もあることはありますが。宮崎駅では駅弁として椎茸弁当を売っています。巨人のキャンプで有名な宮崎市青島にはういろうがあります。名古屋のういろうを知るまで、ういろうは青島にしかないと勝手に信じ込んでいました。と言うところで良いご旅行を祈念。