クインテッセンス出版(株)
歯科衛生士 2002.vol.28
2002年9月10日発行

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ベリ子

ニコラ歯科勤務。雑誌「ベリィ」を愛読し、格好いい大人の女を目指す30歳。オシャレ同様、仕事にもひとひねりをプラスするのがルールだと思っている。
グラ子

ハナ歯科に勤務する歯科衛生士。ベリ子とは同級生で、学生時代からのつきあい。愛読誌は「グラチア」。仕事の愚痴や悩みをよくベリ子に相談している。


「歯のデイリーサプリ」〜フッ素でコーティング




ベリ子 「グラ子、最近ちょっと痩せたんじゃない」
グラ子 「わかる?」
ベリ子 「あたらしいターゲットでも?」
グラ子 「ちがうわよ。サプリメント飲み始めたの」
ベリ子 「へえ。サプリメントといえば、『歯のデイリーサプリ』って知ってる?」

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 さて、皆さんは、もうお分かりでしょう。「歯のデイリーサプリ」といえば、フッ素のことです。サプリメントとは、正確にはDietary Supplement(ダイエタリ サプリメント)のことで、基本的な食事を補う、ビタミンやミネラルなどの栄養成分を含んだ補助食品のことです。基本的な日常の食事では、ややもすると不足がちになってしまう、ミネラルやビタミンなどを、タブレットやカプセルの形で、コンパクトに手軽に補給できるとあって、アメリカをはじめとして、日本でもここ数年急速に日常生活に溶け込んできています。背景には、セルフメディケーションという考え方があります。自分の健康は自分で守るということです。
 よく、患者さんから「歯を磨いているのになあ」という言葉を耳にします。ひと昔前は『磨いたと磨けたは違います』なんて言っていましたが、プロの私たちにとっても、完璧に磨くことは容易なことではありません。そこで、補助食品ならぬ予防の補助テクニック。ムシバ予防に足りないものを、手軽に効率よくアシスト。すなわちデイリーサプリ、それがフッ素です。自分の手のひらなら、ついている汚れは、自分自身ではっきり見て落とせます。けれど、自分の背中となると、それは疑問です。ましてや口の中となると、絶対に自分では落とせない部分があると言っても過言ではありません。シャカシャカと、しゃかりきになって磨くより、スマートブラッシングとデイリーサプリで、簡単予防。カリエスフリーでピッカピカ。
参考文献 NPO日本サプリメント協会.帯津良一(ed).サプリメント健康バイブル 2002.東京;小学館、2001.


 ここで、気をつけて欲しいのは、サプリメントはあくまでも補助食品ってことなのね。だから、基本を忘れたらダメ。ここでの基本は、やはり、ブラッシングとおやつかな。ブラッシングとおやつとデイリーサプリの3つを、うまくバランス取って、予防して欲しいわね。たとえば「この3つの中で今日はこれが足りなかったから、残りの2つでいつも以上にカバーする」とか。バランスが悪くて、ブラッシングだけにかたよりすぎると「磨いているのになあ」という言葉が出てくるんじゃないの?
 ひとたびムシ歯になると、元には戻せないだけに、セルフメディケーションの考え方って必要よね。





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